住宅ローンの支払いは通常収入の範囲内で無理なく負担できる金額が前提ですが、雇用体制の変化などにより、数十年後のライフプランを見通すのが困難な時代になっています。失業などのリスクや給与の削減、または倒産など数え上げればキリがないほど住宅ローンの支払いを滞らせるトラブルは多数存在します。
そうした中で実際弁護士などにも住宅ローンの滞納による督促状や自己破産についての相談が多数寄せられ、多くの方がこうしたトラブルに悩んでいるという現状があります。そしてそれらが解決不可能なほど経済的に困窮すれば、物件の抵当権を持つ金融機関は競売と言った形で債権を現金化します。これは裁判所に申し立てを行い、物件を競売により売却を行うことですが、本来の相場価格よりも大幅にディスカウントされた価格で決定する事が多いので、住宅ローンの完済など程遠いという結果に陥ってしまうことが多いです。
こうした競売はドラマやワイドショーなどでもよく耳にする言葉ですが、任意売却という言葉は法律に詳しい方でなければあまり耳馴染みのある言葉ではないでしょう。これは住宅ローン滞納時に行われる特殊な売買手法で、競売とは異なり市場を介して物件の売買を行うことが出来ます。そのため本来の価値での売却が可能なので、所有者にとっては非常にお得な方法になります。
実際に弁護士などにも競売ではなく任意売却を行いたいという相談も多数寄せられていますので、所有者にとって魅力的な方法であると言えます。しかし、価格面だけではなくその他にもお得な理由が多数存在します。
さらに引っ越し費用も残す事が可能です。競売では先ほどと同じく全額住宅ローンの返済に回されてしまうので、自己資金がなければ引っ越しなど非常に難しいものになります。
しかし、任意売却の場合では引っ越しや新生活の資金面の交渉も弁護士などに任せれば金融機関と折り合いをつけることが出来るので、非常にありがたい内容になっています。また引っ越しに関して言えば、競売では引渡し日が強制的に決められてしまうため、期日までに立ち退きを行わなければ強制退去させられてしまいます。しかし、任意売却では引っ越しの時期についても弁護士などを介して金融機関や購入者と話し合いで決定出来るので、家族などへの負担も出来る限り軽減する事が可能です。
また住宅ローンの滞納について任意売却では周囲にバレることは基本的にありません。競売ではやはり多くの方に告知する必要があるため、可能性として近所の方にバレてしまうということが起こりえます。近所に仲の良い方がいらっしゃる方などはこの点がかなり精神的な負担となり、大きなストレスの原因となります。しかし、任意売却では基本的には不動産会社や購入者、弁護士を介したクローズドなやり取りで売買が行えるので、そうした不安を感じる必要がありません。
このように任意売却は競売に比べかなりお得な理由が多数ありますが、注意点として個人で行うと中々上手くいかない場合があるという事が考えられます。当然人生でそう何度もあることではないので、ネットや書籍で調べて手探りの状態で交渉を進められると思います。
しかし、今まで述べてきたように競売と任意売却では雲泥の差となってしまうことが多いので、万が一金融機関との交渉に失敗してしまえば多大な被害となります。そうした最悪の事態を避けるためにもプロである弁護士に相談を行うと、手続から債務整理まで幅広く相談を行うことが出来ます。弁護士に依頼するのは心理的にハードルの高いものでしょうが、同じ悩みを持つ方もたくさん相談を行っているので、ぜひ一度無料の相談会などに行ってみてください。