任意売却を弁護士に相談するメリットとしては、弁護士の法律に関する専門知識と問題解決のための債権者との交渉などによって、債権者の同意を得られる可能性が高くなることであるといえます。任意売却を成功させるためにはやはり債権者の同意が不可欠です。
任意売却はやりくりしているにも関わらず、ローンなどで借り入れたお金の返済ができずに困っている債務者を救済するために設けられた制度です。家を持っていることが生活に困っている原因になっている場合、債務超過状態の不動産を売却することができます。しかし、債務者が所有している不動産には抵当権が設定されています。
売却が成功したとしても、住宅ローン等の残金処理についての問題が残ります。自宅を失うのは仕方ないけれども、残った住宅ローンを支払うことはできないといった場合には、事後的に自己破産をすることで一切の支払免除が受けられます。通常、債務者は自宅を守るために自己破産を避けます。したがって、自宅を失った場合には自己破産を避ける理由がなくなると考えることができ、ローンの残債を支払うことができない場合、自己破産の申し立てを行うことになります。弁護士の法律相談で任意売却を選択した人の多くは、そのまま弁護士に依頼して自己破産の手続きを行うという点で任意売却と自己破産はある意味、つながりがあるといえます。
多重債務などにより不動産の売却を考えている場合で自己破産を予定している場合には、弁護士に事前に相談することをおすすめします。弁護士は直接不動産の売買をしないことが多いため、知り合いの不動産会社などを紹介してもらうことが多いものの、法律の専門家として自己破産の手続きを進めてもらうことができます。
また、債権回収会社には弁護士が顧問として在籍しています。したがって、最終的に債権者の同意が得られることが売却成功の条件ということができます。そのため多角的な観点で考えてみると、任意売却を行うことを考えている場合には、早めに弁護士に相談することが相談者の後々が良い結果に落ち着く可能性が高くなるといえます。
任意売却には単純売却と買収などの手法があります。単純売却は任意売却の一種で、生活に困難をかかえている債務者を救うため、借入残高よりも売却価格が少なくても不動産を売却することができる制度です。単純売却のメリットは、不動産を売却する方法の中で最も売却額が高くなる可能性が高く、売却後の残債が一番少なくなる可能性が高いということです。そのため比較的債権者の同意を得やすい方法です。しかし、住宅のコンディションが良くないと買い手が見つかりづらかったり、売却できるまでの時間がかかったりしてしまいます。
買収は、任意の売却の手法の中で最もはやく不動産売却できます。しかし、売却価格が低くなりがちで、単純売却より債権者の同意がとりづらい傾向があります。
売却後の残金の処理についてはこのような大きな流れがあります。そのため、不動産の売却を考えている際には弁護士に依頼するメリットがたくさんあります。全体的な視点で相談者に対してアドバイスをしてもらうことが期待できますので、売却を考えている場合には早めの弁護士への相談をおすすめします。
弁護士は法律の専門家として債務者の立場に立ってアドバイスを行うことができます。債務者を取り巻く債権者や債権回収会社などの視点も踏まえ、多角的な視点からアドバイスをしてもらうことができ、結果的に任意売却の成功につながるといえます。