任意整理は債務整理の一種です。債務整理は借金の返済が困難になった時、交渉によって借金を整理することをいいます。債権整理には任意整理の他に、過払い金返還請求、自己破産、個人再生があります。債務整理を行う場合には弁護士に事前に相談を行うなどして、状況に応じて最も適した方法を選択することが大切といわれます。

任意整理は、裁判所を通さずに借金を減額する手続きのことです。任意整理をする場合には、安定した収入があることが条件とされています。任意整理は借金の整理をする人の中でも最も多くの人が行っている方法です。

貸金業法改正前の高い上限金利で返済をしていた場合、計算し直して払いすぎた分が過払金として戻ってきたり、大きく元金が減ったりします。また、多額の債務を抱えている人も、任意整理を実行することで容易に返済可能な借入額とすることが可能となる点が大きなメリットです。

任意整理には他にもメリットがあります。裁判所を通さずに債務整理を行える方法であるため、官報に名前が載ることはありません。そのため、第三者に知られるということもなく、プライバシーは守られます。任意整理を弁護士や司法書士に依頼すると、その時点で債権者は債務者に取り立てをすることができなくなります。債権者との間に弁護士や司法書士が入り、債権者と直接的なやり取りを行ってもらえますので、精神上も債権者にとって負担の少ない債務整理の方法です。任意整理をすることによって将来的にも利息がカットされるというメリットもあります。　

さらに、自己破産や個人再生と違い、任意整理後の職業の資格が制限されることはありません。そして、任意整理では整理する債権者を選ぶことができますのでどの業者などから借りているお金を整理するかを選べます。

一方、任意整理を行うと借り入れ金の返済を行ってから7年程度は記録が残るといわれています。そのため、新たな借り入れがしづらくなることが挙げられます。

任意整理を行う場合には、安定した収入があることが条件となっています。それがない場合には、自己破産を行うことになったりします。通常は、債務者は自宅を守るために自己破産を避けます。しかし、自宅を失うのは仕方ないけれど、残った住宅ローンを支払うことができないというケースでは、事後的に自己破産をすることで免責を受けることができ、新たな人生を歩むことができるようになります。

事後的に自己破産も選択する場合には、任意売却を事前に選択する人が多く、任意売却をした人の多くが自己破産の手続きに移るという意味で、任意売却と自己破産には関連があるといえます。自己破産をすると、破産者名簿と官報には掲載されます。しかし、選挙権を失ったり、戸籍や住民票に記載されることはありません。

任意売却は住宅ローンの支払いでやりくりしているにもかかわらず、借りたお金が返済できずに困っている場合に検討されることが多い方法です。家を持っていることで生活に困っている場合に、債務超過状態の不動産を売却することができます。任意整理には多くのメリットがあります。

しかし、安定収入がない場合には、自己破産などを行う場合もあります。自己破産では多くの場合、事前に任意売却によって債務超過の不動産売却が試みられます。任意売却を行うと、競売よりも価格が高くなる可能性があります。任意売却のメリットについては弁護士に相談することで、具体的な任意売却の手順や方法などについても教えてもらうこともできます。