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リースバックの買取価格の相場|家賃相場や事例等も解説

リースバックの利用をこれから検討する方にとっては、住まいを売却する際の「買取価格」や自宅を賃貸化した後の「家賃相場」は気になるところでしょう。

そこで今回の記事では、リースバックの買取価格の相場や家賃相場、実際の事例などを紹介します。ぜひご一読ください。

リースバック時の買取価格の相場

住まいをリースバックする場合、まずは自宅を売却することになります。リースバック時の買取価格の相場は、エンドユーザー向けの不動産売却価格のおおよそ60%~80%程度に留まります。

なぜ、エンドユーザー向けの不動産売却価格よりも買取価格が低くなるのでしょうか。

リースバック物件を購入する側は、安く買って家賃収入で収益を上げたいと考えているため、期待利回りを重要視しています。賃貸借契約期間の完了後に、物件を売却する買主も多くいますが、不動産は必ずしも高い価格で売れるとは限りません。

また、売却する不動産価格を高くすると、リースバックした買主は投資利回りを計算しますので、賃料設定もそれだけ高くなります。
そのため、より低額な賃料設定を希望する場合、通常の不動産市場における売却時よりも低い買取価格になってしまうのです。

リースバック時の買取価格に影響する要素

リースバック時の買取価格には、具体的にどのようなことが影響するのでしょうか。
この章では、リースバックの買取価格に影響を与えている3つの要素を紹介します。

1 物件の所在地

通常の不動産と同様で、リースバックの物件の買取価格も「物件の所在地」によって左右されます。売れやすい場所にある物件は好まれることが多く、買取価格も高くなる可能性があります。

一方で、利便性が良い場所ではないところにある物件なら、リースバック後の売却価格が低くなる可能性が高いため、買取価格も低くなりやすいでしょう。

2 築年数

物件の買取価格には「築年数」も影響を与えます。新しい物件の方がエンドユーザー向けの不動産の買取価格は高くなります。

しかし、リースバックは違う視点から見る必要があります。新しい物件は建物の価値の値下がり率が高い傾向にあるというリスクがあります。
一方、すでに相当期間築年数が経過している物件は、建物の価格のほとんどないケースが多く、急に物件価格が値下がりするリスクは高くありません。

リースバックにおいて、買主は購入した数年後に売却することを念頭においていますので、価格が緩やかに減少することは、買主にとってメリットになります。価格が緩やかに減少することは購入価格と売却価格の差が小さいことを意味しますので、利益が出やすいのです。

そのため、必ずしも築年数が経っていない物件だけが有利ということではないと言えます。

3 リースバックの賃貸借契約期間

リースバックは一度自身の住まいを売却した後に、賃貸借契約を結び、引き続き暮らすことができるというものです。賃貸借契約を「どのぐらいの期間で結ぶのか」によっても、買取価格に影響を与えることがあります。

リースバックの契約が完了したら速やかに売却したいと考えている投資家の場合、賃貸借契約期間が短い方が、高額の買取に至る場合があります。買って、すぐ売却した方が不動産の市場価格の変動リスクが小さく、売却益が見込めるためです。

今は、リースバックを扱う業者が増えていますので、住まいのリースバックを検討する時は、複数の業者に問い合わせて、ご自身の希望に合致する取引ができるように業者を選ぶことをお勧めします。

リースバック時の家賃の相場

リースバックで住まいを売却した後も、引き続き同物件で暮らすためには家賃を支払っていく必要があります。任意売却でリースバックを検討する場合、家賃が重い負担となり過ぎると、生活が再びひっ迫してしまうおそれがあります。
では、リースバック時の家賃相場とは、一体どのくらいなのでしょうか。

リースバックの家賃は、物件の買取価格から投資利回りを計算して算出されます。
年間の賃料は、買取価格の6~13%が相場とされているようです。この金額を月割にすると、月々の家賃が算出できます。

例 売却価格3,000万円、10%の場合
(3,000万円 × 10% )÷ 12ヶ月 = 月々の家賃は25万円

売却価格3,000万円、8%の場合
(3,000万円 × 8% )÷ 12ヶ月 = 月々の家賃は20万円

リースバックの家賃相場は、一般的な家賃よりも高めの事が多いです。任意売却時に検討する際は、家賃も頭に入れながら検討する必要があるでしょう。

リースバック時の買取価格と家賃の事例

リーガル東京にご依頼いただいたお客様の事例をご紹介します。
実際の買取価格や家賃が参考になると思います。

事例1 東京都 会社員男性

1,000万円以上の負債があり、自宅マンションを手放さずに済む方法を検討され、リースバックと自己破産の相談に来られました。
リースバックで購入してくれる投資家が見つかり、自宅マンションを売却でき、その後自己破産し免責されました。
・10年前に定期借地権付き分譲マンションを3,000万円で購入
・買取価格:1,800万円
・家賃:月14万円
・賃貸期間:7年

事例2 東京都 会社員男性

定年退職後に収入が大幅に減り、住宅ローンの支払いを滞納してしまったため、金融機関から自宅マンションの売却を迫られ、相談に来られました。
長男が就職するまでに2年あり、また相談者ご本人も収入が半年間ほどは見込めないことから、リースバックし、その後長男名義で買い戻すこと希望されていました。
最終的に以下の条件でリースバック契約をすることができました。
・買取価格:2,400万円
・家賃:16万円
・賃貸期間:5年
・1年分の賃料192万円を売却代金から支払い
・5年以内に2,400万円+αの金額で長男が買戻す

他の事例については、こちらでご紹介していますので、ぜひご覧ください。
リースバック相談センター 「セールス&リースバックの解決事例」

希望するリースバックの条件の見つけ方

お住まいのリースバックを希望される場合、ご自身やご家族の条件(賃貸期間・賃料・売却価格・買戻しの有無など)に合致する業者を探すことが大切です。
条件に合う業者はどうすれば探せるでしょうか。

1 相見積もりを取得する

リースバックを行っている不動産会社は多数あります。ご自身の希望に合致する条件を提示してくれる業者を見つけるには、いくつかの不動産会社へ「相見積もり」を依頼し、条件面での交渉をしてみることが大切です。

見積もりの結果を提示しながら交渉すると、希望する条件にできるだけ近い業者を探すことができるでしょう。粘り強く業者との交渉にチャレンジしてみましょう。

2 評判のいい業者を見つける

リースバック業者の中には詐欺的な取引を持ちかける業者がいます。
そのような業者に騙されない為には、慎重にリースバック業者を選ぶ必要があります。取引を始める前に、その業者に悪い評判がないか調べてください。
リーガル東京は弁護士がリースバック取引に関与しますので安心して相談できます。

リースバック時の家賃を安く抑えるには

リースバックは売却後の「家賃」に関する問題も、事前にクリアしておく必要があります。あまりにも高すぎる家賃は、生活が継続できなくなってしまいます。
では、リースバックの家賃を少しでも安く抑えるにはどうすれば良いでしょうか。ポイントは以下の2つです。

1 買取価格を下げる

家賃を下げる方法の1つ目は、「買取価格を下げること」です。買取価格を下げると、住宅ローンの返済に充当できる売却代金は減りますが、その一方で家賃が低くなるというメリットがあります。

リースバックの一般的な家賃の年額は、買取価格の6~13%程度と解説しましたが、家賃のベースとなる買取価格が低ければ、その分家賃も低くなります。買取価格を下げると、不動産会社側に支払う仲介手数料なども下がる可能性があるため、家賃を安く抑えるには買取価格に目を向ける必要があるということを知っておきましょう。

2 複数の会社に相談する

リースバックを得意とする不動産会社に複数相談し、相見積もり時と同様に家賃についても相談を重ねておくことと良いでしょう。多数の不動産会社があるため、希望の家賃相場に沿った提案をしてくれる会社と出会える可能性もあります。ただし、任意売却に遅れると競売に発展するおそれがあるため、早期に交渉を開始することが大切です。

リースバックで買戻しをするには

リースバックは「いずれは住まいを買い戻すこと」ができる魅力的な方法です。ただし、買い戻しの際には売却時の代金を上回る価格で購入する必要があったり、賃貸契約として暮らせる期間には期限があったりと、リースバックには一定の制約があります。
そのため、買い戻すためには、家賃を支払いながら、数年でまた住まいを購入できるだけの資金を準備する必要があるのです。これは簡単なことではありません。
実際に買戻しに成功した方は、家族に住宅ローンを組んでもらって買い戻したケースです。

しかし、リースバックは、住まいを売却した後も住み続けられ、手放した住まいをもう1度手に入れるチャンスがあるという大きなメリットがある手法です。
競売や自己破産を回避しながら、大切な住まいを維持できる解決方法の1つですので、早期に検討を開始しましょう。

まとめ

リースバックにおける買取価格は、市場価格の60~80%程度になります。より高く買い取ってもらいたいと考える方がいると思いますが、その価格が家賃の金額に影響しますので、買取価格だけでなく、支払える家賃なのかも併せて考える必要があります。

弁護士法人リーガル東京では、任意売却やリースバックの経験が豊富な弁護士がご相談に対応しており、債務整理に関しても同時にご相談いただけます。住宅ローンの返済に困ったら、お早めにご相談ください。暮らしの再建を目指してサポートいたします。

 

監修者


氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)

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