「リースバックはやばい?」と不安な方に、弁護士がトラブルを避けるポイント等を解説
住宅ローンの返済が困難になった時には、任意売却という方法で解決を目指すことが可能です。その際には、住み慣れた家を賃貸として借りて住み続けることができる「リースバック」と呼ばれる方法も検討出来ます。
しかし、ネット上でリースバックについて検索すると「リースバック やばい」という情報も出てくるようです。
そこで、今回の記事では、リースバックについてやばいと呼ばれる原因である「トラブル」に焦点を当てます。トラブル事例や避けるためのポイントについて紹介しますので、ぜひご一読ください。
リースバックがやばいと言われる事情
ネット上でリースバックについて検索すると、「リースバック やばい」と書かれていることがあります。
では、どうしてこのように言われているのでしょうか。その事情は主に以下の2点です。
事情1 悪質な業者が存在している
リースバック自体は一般的に広く利用されている資金調達方法であり、「やばい」と言われる方法ではありません。リースバックは、自身の不動産を活用して資金が得られるため、事業用資金の確保にも活用されています。
しかし、リースバックは一般的な住宅ローンやフリーローンよりは複雑な契約であり、中にはこの複雑さを悪用して、不動産を安く買い叩いたり、手数料を高く請求したりするような業者が存在しています。そのため、「リースバック やばい」と言われることがあるようです。
事情2 リースバックへの理解不足によるトラブル
リースバックは、自宅を売却した後も自宅に暮らすために賃貸借契約を交わすものです。上手く利用すれば、任意売却時にも活用できるものですが、リースバックは通常の不動産売買や賃貸借契約よりも複雑です。
リースバックの仕組みをよく理解せずに契約に踏み切ってしまうと、「買取価格や家賃や賃貸期間などが思っていたのと違う」などと後悔する事態になってしまうでしょう。
任意売却については、こちらの記事で解説していますので、詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
「任意売却とは?わかりやすく解説|競売・通常売却との違いも」
リースバックにおけるトラブル事例
リースバックが「やばい」と言われてしまう背景には、リースバックの際にトラブルが起きていることが挙げられます。
では、実際にはどのようなトラブルが発生しているのでしょうか。この章ではトラブル事例について紹介します。
事例1 家賃が想定より高く支払うのが難しくなった
リースバックは自宅を売却後も引き続き自宅で暮らすために、家賃を支払っていく必要が生じますが、一般的な賃貸相場よりも家賃が高くなることがあります。
リースバックの家賃は、周辺の家賃相場ではなく、「住まいの売却価格 × 期待利回り(6~13%)」で年額が算出されるためです。
そのため、期待利回りのパーセンテージによって、大きな差が出ることもあります。
リースバック時の家賃を周辺の物件程度の金額だろうと誤解している人にとっては想定よりも高い金額になる人もいるでしょう。
事例2 相場金額を大きく下回る金額で売却してしまった
リースバックの買取価格は、一般(エンドユーザー向け)の不動産買取価格の60~80%程度と言われております。
業者に提示された価格を鵜呑みにしてしまい、この相場を大きく下回る金額で売却してしまうトラブルも発生する可能性があります。後から「もっと高い金額で売却できた」と気づいても対応のしようがありません。
相場を大きく下回る金額で金額を見積もりで提示された場合は注意が必要です。
ただし、買取価格が高くなればそれに応じて、賃料が高額になりますので賃料の支払い能力の兼ね合いで、売却価格の検討も必要です。
なお買い戻したい方は、一般の買取価格よりも低くても納得して売る方がいるようです。
事例3 買戻し金額が想定より高く買い戻すことができなかった
リースバックは売却後の住まいを、将来的に買い戻すことができます。しかし、買戻し価格は売却価格より高くなることもあり、想定していたよりも多くの資金を要することがあります。結局買い戻せず、自宅を失ったままとなる人もいるのです。
確実に買い戻したい方は、マイホーム売却時に買戻し条件を約定しておく事が必要です。
買戻し条件を約定することを拒否する業者や買戻し条件が厳しい業者は、警戒してください。
事例4 修繕費の負担をすることを把握していなかった
通常の賃貸借契約における修繕費は賃貸人の負担であるケースがほとんどですが、リースバック時の賃貸借契約においては、賃借人側が修繕費を負担することが多くなっています。
これは、賃貸人が賃貸借契約の締結時に、物件の中の状態を把握することができないためです。
このことを認識できていないと、負担してもらえると思っていた修繕費を支払う必要が出てくるため、トラブルになる可能性があります。
ただ、全ての修繕費を賃借人に負担させるような賃貸借契約を求める業者には注意が必要です。
賃借人が負担できないような修繕費を請求される恐れがあります。
事例5 再契約できなくて退去せざるを得なくなった
リースバックでは一般的な賃貸借契約である「普通借家契約」ではなく、更新の定めのない「定期借家契約」となることが多くあります。
定期借家契約であっても再契約すれば、引き続き同じ家に住まうことができますが、賃貸人に再契約を拒否されると退去せざるを得ません。
したがって、定期賃貸借であっても再契約可能を約定してくれる業者を選ぶことが大切です。
事例6 リースバックできるという話だったのに、オーバーローンを理由に断られた
リースバックできると聞いて不動産会社などに相談を重ねていても、オーバーローン(物件の売却価格が残債金額を下回り、住宅ローンが完済できない状態)を理由に、リースバック契約ができないというトラブルもあります。
オーバーローン物件の場合、いわゆる損切での売却(残債務額より低額で売却すること)をする必要がありますので、不動産の債務整理に詳しい弁護士にリースバック・任意売却について相談することをお勧めします。
弁護士法人リーガル東京はオーバーローン物件を所有している方のご相談でも応じます。
事例7 買戻しできるという話だったのに買戻しを拒否された
リースバックで住まいを売却しても、将来的に再び住まいを買い戻すことができます。しかし、契約内容をしっかりと確認しておかないと「買戻しできない」というトラブルが発生します。
買戻しを視野に入れている場合は、リースバックの契約の際に「再売買の予約」や「買戻し特約」についてもリースバック業者と協議しておく必要があります。
また、契約内容が不安な方は不動産取引に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
事例8 売却・不動産会社倒産などによるオーナーチェンジで契約内容が変更された
リースバック時に契約したオーナーが、その後もずっと同じとは限りません。契約していた不動産会社が倒産してしまったり、別のオーナーに物件を売却したりすることがあります。
新しいオーナーによっては、家賃を値上げするなど契約内容の変更をされてしまうおそれがあります。
事例9 高額な費用を請求された
悪質なリースバック業者の場合、リースバックの契約時に高額な諸費用を請求してくる場合があります。
手数料や事務負担料などさまざまな名目で費用を請求されることがあるため、ご注意ください。
事例10 更新や再契約のタイミングで家賃が値上げされた
「家賃は値上げしない」と聞いていたにもかかわらず、更新や再契約のタイミングで家賃の値上げが行われることがあります。
値上げした家賃の支払いが難しい場合は、結局引っ越しをせざるを得なくなるのです。
事例11 相続人である親族とトラブルに発展した
所有していた住まいを売却するということは、将来その住まいを相続できる方が財産を失うことを意味します。
将来相続する可能性がある方(推定相続人)の同意は、リースバック時には不要です。しかし、了解を得ずに売却を行った場合、相続人の方とトラブルに発展する可能性があります。
リースバックのトラブルを避けるポイント
リースバックの仕組みは決して「やばい」ものではありません。トラブル回避するために、きちんと対応できれば、安心して活用できる不動産売買方法の1つです。そこで、この章ではリースバックのトラブルを避けるポイントを紹介します。
ポイント1 リースバックの仕組みを理解する
リースバックは一般的な不動産売買とは異なり、一度売却した自宅を賃貸化するものです。
また、買い戻すことも可能ですが、買戻しには条件もあります。正しくリースバックの仕組みを理解することで、トラブルを避けることができます。
リースバックの仕組みについて、詳しく知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
「リースバックとは何?わかりやすく仕組み・メリット・デメリットを解説」
ポイント2 契約内容を理解する
リースバックでは、自宅を売却するための売買契約と、賃貸として住むための賃貸借契約の2つの契約が必要です。
いずれの契約書も十分に確認する必要がありますが、特に確認してほしい点は賃貸借契約が「普通借家契約」と「定期借家契約」のどちらかという点です。定期借家契約は更新できない契約であるため、契約期間が終了した場合は基本的に退去する必要があります。
賃貸借契約や賃貸期間に不明な点がある場合は、必ず確認するようにしてください。
もし、売買契約や賃貸借契約の内容に不安や不明な点がある方は、契約する前に不動産に詳しい弁護士に相談することをお勧めします。
ポイント3 自分でも売却価格の相場を調べる
リースバックで自宅を売却する際は、市場価格の60~80%の金額となるケースが多いと言われています。ですが、ご自身でも売却価格の相場を調べたうえで交渉に臨むことをおすすめします。
売却価格の相場を知っておくことで、あまりにも相場の金額とかけ離れている金額を提示された場合に注意することができます。
ただし、買取価格が高くなればそれに応じて、賃料が高額になりますので賃料の支払い能力の兼ね合いで、売却価格の検討も必要です。
ポイント4 買い戻す際の条件を確認しておく
リースバックした自宅を買い戻したいと考えている場合は、買い戻す条件についても、あらかじめ交渉し、買い戻せる契約にしておくことが重要です。
リースバックした自宅を買い戻す場合は、「買戻しの特約」や「再売買の予約」という方法で確実に買い戻せるようにすることが可能です。
リースバックでの買戻しは、こちらの記事で解説しています。ぜひご覧ください。
「リースバックでの買戻しは難しい?買戻し特約、買戻し価格の相場等を解説」
ポイント5 リースバック後の家賃が支払えるか確認しておく
リースバック後は、賃貸になるため家賃を支払っていく必要があります。家賃に加えて、カードローンなどの返済がある場合には、支払える金額なのか特に慎重に確認する必要があります。
事情によっては債務整理を弁護士に相談することをお勧めいたします。
リースバック時の家賃については、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
「リースバックの家賃設定方法・家賃相場|家賃を安くする方法等も解説」
ポイント6 信頼できる会社に依頼する
リースバックの業者の中には、残念なことに悪徳業者も潜んでいます。複数の業者に相談をしたり、相見積もりを依頼したりして信頼できる会社かどうか見極めることも、トラブルを避けるポイントになるでしょう。
ポイント7 事前に親族に話をしておく(将来相続人と揉めないため)
もしもご自宅をリースバックするなら、将来の相続に備えて、事前に親族には話をお伝えしておくことも大切です。
リースバックに推定相続人の同意が必要なわけではありませんが、相続の際のトラブルを防ぐ効果が期待できます。
リースバックをリーガル東京に相談するメリット
トラブルも発生しうるリースバックは、どのような業者にでも依頼できるものではありません。リースバック業者の選定にあたっては、専門知識が豊富で、経験豊かな弁護士に相談するのが良いでしょう。
この章ではリースバックを「弁護士法人リーガル東京」に相談するメリットを紹介します。
メリット1 多様な解決手段を提示できる
リーガル東京には、弁護士だけではなく、税理士やフィナンシャルプランナー、宅地建物取引士などが在籍しており、すでに多くの任意売却やリースバックを累計100件以上成約させた実績があります。一元的にリースバックをサポートでき、多様な解決手段を提示することが可能です。
オーバーローンであっても、任意売却はもちろん、債務整理もサポートしながらリースバックを成功へと導きます。
メリット2 困難な事案にも対応し解決できる
リーガル東京では、他の不動産会社や弁護士に断られた事案も多くおまかせいただいています。競売が迫っているケース、自宅を手放したくないケースなどもリースバック以外の多様な方法で解決してきました。
他で一度断られた方も、まずはお気軽にご相談ください。ご相談は何回でも無料です。
メリット3 豊富な解決実績で安心
リーガル東京は、すでに相談実績が累計2,000件あり、豊富な相談・解決実績があります。他の弁護士事務所や不動産会社とは一線を画し、多種多様な問題の解決実績ありますので、安心してご相談ください。
まとめ
リースバックは、資金を調達したい場合や住宅ローンの返済が困難になった場合などに利用できる仕組みです。トラブルに見舞われる可能性はゼロではありませんが、専門知識や実績が豊富な弁護士に依頼をすることで、その可能性を低く抑えることができます。
リースバックについて疑問や不安がある場合、まずはお気軽に弁護士法人リーガル東京にご相談ください。
監修者
氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)
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