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個人再生には2種類ある?小規模個人再生と給与所得者等再生の違いを解説

個人再生には2種類ある?小規模個人再生と給与所得者等再生の違いを解説

小規模個人再生と給与所得者等再生とは

債務整理には、主に「任意整理」「個人再生」「自己破産」の3種類の方法があります。
このうちの個人再生は裁判所を通した手続きによって、抱えている借金を大幅に減額してもらう手続きです。残った借金については、認可を受けた再生計画に沿って、3〜5年をかけて分割で返済していくことになります。

また、個人再生は以下の2種類に分かれます。

・小規模個人再生:個人事業主をはじめとした幅広い人を対象とした手続き
・給与所得者等再生:給与所得者(サラリーマン)を主な対象とした手続き

これらの手続きを利用するには、一定の条件を満たさなければなりません。両方の手続きに共通した条件としては、以下の3つが挙げられます。

・住宅ローン以外の借金総額が5,000万円以下である
・将来において継続的に収入を得る見込みがある
・このままでは借金の返済ができなくなるおそれがある

この他にも、小規模個人再生と給与所得者等再生で異なる条件が設定されています。また、手続きの特徴も一部で異なります。
この記事では、主に「小規模個人再生と給与所得者等再生の違い」に焦点を当てて、解説していきます。

小規模個人再生と給与所得者等再生の4つの違い

ここからは、小規模個人再生と給与所得者等再生の違いについて、利用条件や手続きの特徴の点から確認していきます。

違い①収入の安定性に関する条件

小規模個人再生と給与所得者等再生では、どちらも「安定的な収入の見込みがあること」が条件として定められています。
これに加え、給与所得者等再生についてはより収入の安定性を重視すべく「給与などの定期収入の見込みがあること」「定期収入の変動幅が小さいこと」が利用条件として定められています小規模個人再生については、このような制約はありません。

違い②債権者の同意が必要か、不要か

「債権者の同意の有無」という点でも、これらの手続きには違いがあります。

給与所得者等再生の場合、再生計画について債権者の同意は不要です。

一方、小規模個人再生では、再生計画について債権者から一定以上の反対が出ると手続きを進められません
具体的には、「反対する債権者の数が半数以上」の場合や、「反対する債権者が有している債権額が全体の半分を超える」場合には、再生計画案は認められません

再生手続きの種類を選ぶ際には、「債権者から一定以上の反対が出る可能性があるか」という点も意識する必要があります。

違い③減額幅の決まり方

借金の減額幅の決まり方にも違いがあります。

小規模個人再生の場合、以下の2つのうち高額な方が、再生計画に基づいて返済すべき金額となります。

①最低弁済額
②清算価値

①の最低弁済額とは、最低限返済しなければならない借金の金額を指します
最低弁済額は、以下の表のとおり借金総額によって異なります。
ただし、借金総額が100万円未満の場合は全額、つまり減額不可となり、100万円以上の場合でも最低100万円は返済しなければなりません。

借金総額 最低弁済額
100万円未満 全額(減額不可)
100万円以上500万円未満 100万円
500万円以上1,500万円未満 借金総額の20%
1,500万円以上3,000万円未満 300万円
3,000万円以上5,000万円未満 借金総額の10%

 

②の清算価値とは、自己破産した場合に換価・処分され、債権者への配当に充てられると見込まれる財産の価値をいいます。これは、個人再生をしても、債権者が自己破産の場合よりも不利にならないようにするためのものです。

一方、給与所得者等再生の場合は項目が増え、以下の3つのうち最も高額なものが、再生計画に基づいて返済すべき金額となります。

①最低弁済額
②清算価値
③可処分所得の2年分

給与所得者等再生の場合でも、①最低弁済額と②清算価値は、小規模個人再生と共通しています。
異なるのは、③可処分所得です

可処分所得とは、収入から所得税・住民税・社会保険料等を差し引き、さらに政令で定められた生活費を控除して算定される金額を指します
簡単にいうと、収入から税金・社会保険料や生活に必要な費用を差し引いた後、返済に充てられると考えられる金額です。

可処分所得の2年分は、最低弁済額や清算価値よりも高額になるケースが少なくないようです。そのため給与所得者等再生は、小規模個人再生と比較すると、借金の減額幅が小さくなってしまう傾向があります。

違い④再申し立てに制限があるかどうか

個人再生には、回数の制限はありません。一度実施した後でも、再申し立てを行うことは可能です。

ただし、給与所得者等再生の場合に限っては、再生計画の認可を受けてから7年間は、再度、給与所得者等再生を申し立てることはできません

一方、小規模個人再生にはこの制限はないため、「小規模個人再生→小規模個人再生」「小規模個人再生→給与所得者等再生」「給与所得者等再生→小規模個人再生」というような順番であれば、前回の手続きからの年数を気にすることなく再申し立てを行うことができます。

小規模個人再生のメリット・デメリット

個人再生の種類を選ぶ際には、各手続きのメリット・デメリットをよく理解しておく必要があります。
まずは、小規模個人再生のメリットとデメリットについて解説します。

小規模個人再生のメリット

小規模個人再生の大きなメリットは、以下の2つです。
・収入の安定性に関する条件が厳しくない
・借金の減額幅が大きくなる可能性が高い

小規模個人再生では、将来において継続的または反復して収入を得る見込みが必要ですが、給与所得者等再生のように「給与などの定期収入があり、その変動幅が小さいこと」までは求められません

そのため、毎月の収入額に差がある人でも利用しやすいという特徴があります。

また、小規模個人再生は「最低弁済額」か「清算価値」の高い方で弁済額が決まります。給与所得者等再生よりも減額幅が大きくなる可能性が高く、この点もメリットだといえるでしょう。

小規模個人再生のデメリット

小規模個人再生のデメリットは、「債権者の反対により手続きが進まない可能性がある」という点です。
前述のとおり、小規模個人再生の手続きを進めるためには、「不同意と回答した議決権者が議決権者総数の半数に満たず、かつ、その議決権額が議決権総額の2分の1を超えない」という条件を満たさなければなりません。
債権者の多くが反対した場合、手続きは進められず、給与所得者等再生や自己破産など別の手段を検討することになります

給与所得者等再生のメリット・デメリット

次に、給与所得者等再生のメリットとデメリットを確認していきましょう。

給与所得者等再生のメリット

給与所得者等再生のメリットは、「債権者による書面決議が不要である」という点です。
そのため、反対しそうな債権者がいる場合でも、債権者の反対によって再生計画案が否決されることはありません

給与所得者等再生のデメリット

一方で、以下のデメリットがある点も理解しておく必要があります。
・収入の安定性に関する条件が厳しい
・減額幅が小さくなる可能性が高い

給与所得者等再生には、「安定的な収入が見込めること」に加え「給与などの定期収入があり、その変動幅が小さいこと」という収入面での条件があります。小規模個人再生よりも収入条件が厳しい点は、デメリットだと考えられます。

また、給与所得者等再生は「最低弁済額」か「清算価値」、「可処分所得の2年分」の高い方で弁済額が決まります。
可処分所得の2年分は、最低弁済額や清算価値よりも金額が高くなる可能性があり、それにより返さなければならない借金額も小規模個人再生に比べて高くなる可能性がある点に注意しなければなりません。

結局、どちらを選ぶべき?

個人再生において、小規模個人再生または給与所得者等再生として手続開始決定があった後に、手続きの種類を変更することはできません。個人再生を成功させるためには、事前に各手続きの特徴を理解し、慎重に選択を行うことが重要になります。
まず、どちらを選ぶべきか悩んでいる場合には、小規模個人再生をおすすめいたします。

ここでは、個人再生のそれぞれの種類について判断のポイントをご紹介します。

小規模個人再生のポイント

・できるだけ借金を減額したい方
・自営業者で毎月の収入に相当な変動がある方

すでにご説明したように、小規模個人再生には、給与所得者等再生に比べ借金の減額幅が大きくなりやすいという特徴があります。そのため、できるだけ借金を減額したいというニーズがある方は、小規模個人再生をおすすめします。
ただし、大口債権者が不同意の意思を表明した場合は、給与所得者等再生を検討することになります。

また、小規模個人再生には、給与所得者等再生のような「定期収入の変動幅が小さいこと」という要件はありません

給与所得者等再生のポイント

大口債権者から再生計画案に不同意の意思が表明された場合は、給与所得者等再生も検討することになります
給与所得者等再生は、小規模個人再生と異なり、債権者による書面決議が不要です。
そのため、大口債権者が再生計画案に反対する可能性が高く、小規模個人再生では手続きが通らないおそれがある場合には、給与所得者等再生が選択肢になります

ただし、給与所得者等再生を利用するには、給与などの定期的な収入があり、その変動幅が小さいことが必要です。
また、小規模個人再生よりも返済額が高くなる傾向があるため、実務上はまず小規模個人再生を検討するケースが多いです

どちらの手続きを選ぶべきか、また小規模個人再生で解決できる可能性があるかについては、弁護士に相談しながら判断することをおすすめします。

まとめ

個人再生では、基本的に借金の減額幅が大きい小規模個人再生を選び、大口債権者の反対がありそうな場合には給与所得者等再生を選ぶというのが一般的です。
どちらの手続きが最適か自分で選択することが難しい場合には、借金問題を扱う弁護士に相談し、どの手続きを選ぶべきかアドバイスを受けることも検討しましょう。

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