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任意売却と競売どちらを選択するか

低金利状態が長らく続いていますが、住宅ローンの契約者数もやはり金利動向と大きな相関があります。収入に見合った住宅ローンならば、新規の住宅着工は日本経済にとって大きな栄養となるので、もちろん歓迎すべきことなのですが現実として多くの方が住宅ローンの滞納など深刻な問題を抱えています。

これらはリーマン・ショック後の雇用減や東日本大震災後の失業など様々なケースが考えられますが、「頭金なし」などと言った甘言によって本来の収入からはありえないリスクのローンを背負ってしまった結果であるケースも多いです。
そうした中では住宅ローンが支払えず、住居を手放すというケースも残念ながら出ていますが、家の抵当権は借入を行った金融機関に帰属しています。

通常の流れとしては、住宅ローンの支払いが停滞し返済不可能であると判断されれば抵当権を持つ金融機関は競売という形で物件を現金に変えようとします。これは裁判所に申し立てて行う不動産売買の手法で、最低売却価格の設定からの購入希望者による競売により不動産が売却されます。

しかし、住宅ローンの支払いが滞ったケースでの物件売買には、この競売という手法の他に任意売却という方法も考えられます。これは通常の市場取り引きに近い形で物件を売却することが可能な方法で、競売というディスカウントが無く相場並みの価格で売却が出来ることが多いのです。

こう書くと当然任意売却が断然優れているように思えるでしょうが、双方メリットとデメリットを抱えているので、どちらを選択するかは状況に依存します。

任意売却のメリットとしては、先に述べたとおりやはり可能な限り相場での売買が可能なので、上手くいけば住宅ローンの完済だけでなく、再出発の資金も残すことが出来ます。

しかし、任意売却のデメリットも存在します。それは全てのケースで行える手法ではないということです。ほとんどの場合金融機関はリスク回避のため、出来るだけ早く滞納された住宅ローンの回収を図ろうとします。そうすると競売という手法が最も素早く合理的なので、金融機関によっては時間のかかる任意売却より競売を選ぶことがあります。

では任意売却を行えるにも関わらず競売を選択する場合、競売のメリットはなにがあるのでしょうか。競売のメリットは金融機関が競売を選択する理由と同じく、迅速に物件の売買が行えるということです。弁護士などにも多く相談が寄せられますが、住宅ローン滞納者の場合その他にもローンや借金を抱えているケースが多く、そのような時には一刻も早く物件を現金化して返済に回さなければならないことも起こりえます。

このようなメリットとデメリットを理解しつつ、任意売却を選択する方にお勧めしたいのが弁護士への相談です。基本的に金融機関や不動産会社とのやり取りになるので、法律の専門家である弁護士への相談は必要ないと思われるかもしれませんが、多くの方は住宅ローン滞納に際して離婚トラブルや相続トラブル、自己破産や債務整理など本来は弁護士に依頼するべき数々の悩み事を抱えています。

弁護士に依頼せずこれらに同時に対処しながら、物件の売買交渉を行うのは非常に困難です。弁護士には任意売却を数多く扱うプロフェッショナルがいます。離婚などの身の回りのトラブルだけでなくもちろん任意売却自体の相談も行う事が出来ます。弁護士に相談する事のメリットとして、さらに自己破産の可能性も考えられます。自己破産と聞くとほとんどの方がネガティブな印象を持っているでしょうが、債務整理を行い少なくない借金を残したまま再出発するよりも、自己破産でゼロからやり直した方がその後の人生を大きく立て直せることもあります。こうした判断は中々素人には行えないので、不安な方はぜひ一度無料の法律相談などに足を運んで弁護士に悩みを話してみて下さい。

任意売却に関するご相談は、弁護士法人リーガル東京にご相談下さい!

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