正しい任意売却とは、任意売却について正しい知識を持つことから始まります。任意売却とは何かということを知らなければ、任意売却をすべきなのか、それとも他の方法をとるべきなのかということの判断ができません。任意売却のメリットだけではなく、任意売却のデメリットについてもしっかりと知る必要があります。
「任意売却は複雑だからよくわからない。不動産業者の言うとおりでいいよ」とおっしゃる方も少なくないのですが、それでは正しい任意売却はできません。
大手不動産会社といっても、正しい任意売却の知識もないところもあるのです。
また、任意売却専門業者は資格や届け出などが必要ありませんから、お金儲けのためにだけ任意売却を勧めてくる悪徳業者もいます。
任意売却のメリットだけしか説明せず、また、メリットを誇張するようなこともあります。その説明を信じたせいで、任意売却に失敗することさえあるのです。任意売却に成功したとしても、最初の話とはまったくかけ離れた悲惨な結果になってしまうこともあります。任意売却には期間もありますから、適切で迅速な対応が必要です。
正しい任意売却をするためには、正しい任意売却の知識がなければいけないのです。その上で、どこに任意売却を依頼するか決めなくてはいけません。
では、どこに任意売却の相談や依頼をすべきでしょう。
それは弁護士をまず最初の相談相手にする必要があります。
任意売却を勧める任意売却専門業者のサイトを見ても、良心的なサイトであれば、「任意売却は、まず弁護士に相談してください」と書かれているはずです。これは、まず最初に、任意売却をすべきなのかどうかということも含めて、あらゆる可能性を考慮する必要があるからなのです。
任意売却は、債務整理の一手段です。債務整理には、任意整理、特定調停、個人民事再生、自己破産の4つがあり、任意整理に含まれるのが任意売却なのです。債務整理は複雑で、さまざまな法律がからみ、また依頼者ごとの状況も1つとして同じケースはありませんから、どの方法で解決するのが適切な判断をすることができるのが弁護士なのです。弁護士の判断では任意売却ではない方法で解決を図る方が適切であるにも関わらず、それについて何の検討も助言もなく、任意売却だけを勧めるような業者は避けなくてはいけません。
「任意売却をすれば債務はゼロになる」「引越し費用がたくさん出してもらえる」などという甘言にだまされてはいけません。
正しい任意売却の知識があれば、そのような甘い話はウソであるということがわかります。
債務整理や任意売却の強い弁護士ばかりではありませんから、弁護士であればだれでもよいということでもないのが現実ではあります。
また、弁護士に相談して、任意売却をすることになったとしても、任意売却をすればすべての住宅ローンの債務がなくなるわけではありません。
また、その住宅に住み続けることになるとしても、引越しすることになるにしても、任意売却後の生活再建も考えなくてはいけません。さらに、任意売却に強い弁護士であっても、任意売却が成功しないこともあります。
任意売却をしてしまえば終わりというわけではなく、任意売却を終えたところから新しい始まりなのです。
任意売却をしたけれど、その後の残債務の返済が滞ってしまうケースも考えられます。仕事を失っていたり、離婚で生活もままならないというようなケースでは、生活保護を申請したりすることもありますし、自己破産という選択が最善であるということもあるでしょう。
引越しするということになれば、新しい住居のために保証人が必要になることが多いです。
任意売却をする前にさまざまなことを考慮していたとしても、任意売却後に状況が変われば、考えていなかったような問題が起こることもあります。そのような場合でも、任意売却をする以前から関わっている弁護士であれば、状況をよく理解していますから、適切な対応やアドバイスをすることができます。不動産業者や任意売却専門業者、銀行などですと、任意売却後のことまで心配してくれないところがほとんどです。
正しい任意売却をするためには、実績のある弁護士に相談することが一番です。