自宅である持ち家と不動産物件を所有している人が銀行などの金融機関から借りている住宅ローンを支払う事が出来ない状態に陥ってしまった場合、債務者である担保物件の不動産所有者は任意売却という形で該当の不動産物件を売却する事が出来ます。
任意売却は不動産鑑定士が最低売却価格を決定してせりを行って不動産物件を売却する競売とは異なり、不動産物件の所有者である債務者、債務者に住宅ローンを貸し付けている銀行などの金融機関である債権者、そして該当の不動産物件の購入をする第三者それぞれの意見を聞いて調整を行った上で、一般的な不動産市場での取り引き価格に近い売却価格で不動産物件を売却する事が出来るのが最大の特徴です。
今回は不動産物件の任意売却におけるメリット、デメリットについてご説明をさせていただきます。
■任意売却のメリット
・精神面でのメリット
持ち家である自宅と不動産物件を所有している人が住宅ローンや借入金が支払えない状態になって任意売却を行う事になるケースでは、任意売却を行う前に住宅ローンの支払いを放置してしまう人が居ますが、住宅ローンの支払い放棄は何の問題解決にも繋がらないばかりか債務者の方の精神状態が悪化してしまう原因になってしまう事もあります。
任意売却は不動産の所有者である債務者、住宅ローンの貸し付けを行っている銀行などの金融機関、そして該当不動産物件を購入する第三者の話し合いによって行われる売却方法であり、より一般の不動産市場での取り引き価格に近い価格で不動産物件を売却出来ますので、精神的な面においても最低売却価格からせりがスタートする競売よりも安心感を得られる、というメリットがあります。
・金銭面でのメリット
不動産物件の売却をする場合、任意売却の方が金銭的な面においても競売よりも売却価格の上で有利、というメリットがあります。
任意売却は基本的には不動産取引市場の一般的な市場の取り引き価格に沿った価格で不動産物件が売却される事になります。
しかし、裁判所から委嘱された不動産鑑定士が不動産物件の最低売却価格を決めてからせりがスタートする競売では、せりに参加する人も不動産業者などの限定的な業種の人に限られてしまう事が多く、不動産物件の売却価格も市場価格に近い価格で物件を売却出来る任意売却よりも低い売却価格で土地が取り引きされることが多いです。
この為、任意売却は競売よりもかなり有利な価格で取り引きを行う事が出来るとされています。
・プライバシーの面でのメリット
任意売却で持ち家や土地などの不動産物件を売却する場合には該当不動産物件の所有者である債務者、債務者に住宅ローンの貸し付けを行っている銀行などの金融機関である債権者、そして不動産物件を購入する第三者以外には基本的には売却情報が漏れる事はありません。
しかし、公開でのせりで不動産物件が落札される競売の場合は不動産物件の情報が広く公開されてしまい、該当不動産物件の所有者である債務者のプライバシーを保つ事は難しくなります。
・売却にかかる期間におけるメリット
任意売却で不動産物件を売却する場合には該当不動産物件の買い手さえ現れてくれればすぐにでも不動産物件を売却する事も可能ですが、裁判所や不動産鑑定士が間に入った上で公開で最低売却価格からせりをスタートさせる競売では裁判所の執行手続きなど、様々な手続きに時間がかかってしまいます。
■不動産物件はなるべく早く売却する事をおすすめします
住宅ローンを支払えなくなったしまった時に不動産物件を売却する場合にはローンを滞納する事で発生する遅延損害金の支払い義務も生じてきますので、出来るだけ早く売却、特に不動産市場の一般的な取り引き価格に近い価格で不動産物件を売却する事が出来る任意売却での売却をおすすめします。