個人再生の手続中に浪費をしたらどうなる?認可決定後の浪費の場合等も解説

裁判所に再生計画案を提出し、認可を受けることで、借金の返済額を法律に基づき大幅に減額できる制度が「個人再生」です。
個人再生を弁護士に依頼した場合、受任通知の送付を経て、債権者からの取立てや返済請求は「貸金業法」などに基づき一時的に停止されます。
このとき、返済が止まり一時的に生活に余裕が生じた結果、無駄遣いをしてしまうケースがあります。
では、個人再生の手続き中や認可後に新たに浪費をすることは、問題にならないのでしょうか。
今回は、個人再生の手続き中および認可後の浪費について、問題の有無を解説していきます。
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浪費に該当する行為
金銭を無駄遣いすることを一般的に「浪費」と呼びます。
具体的には、以下のような行為が浪費と見なされる可能性があります。
・ギャンブル(パチンコ、競馬など)
・高級ブランド品・貴金属の購入
・高級車の購入
・投資(株式、FXなど)
・高級レストランの頻繁な利用
・キャバクラやスナックなどの高額利用
・スマートフォン・インターネットゲームなどの高額課金 など
これらの行為は、日常生活において不可欠な支出とは言えず、大きな金額を要することが多いため浪費に分類されます。
つまり、生活に必要不可欠ではなく、収入や債務の状況に照らして過剰な出費となるものが浪費とされます。
一方で、適正な範囲内の食費や日用品の購入、家賃の支払いなどは、生活に不可欠な支出であり、通常は浪費には該当しません。
浪費による借入でも個人再生は原則可能
個人再生を検討している方の中には、「浪費によって作った借金でも、個人再生の手続きを利用できるのか」と不安に感じる方もいるでしょう。
結論として、借金の原因が浪費であったとしても、個人再生を利用することは可能です。
個人再生では、借金の発生原因が手続きの可否に大きく影響することは基本的にありません。
たとえば、ギャンブルや高額な買い物で発生した借金でも、個人再生によって大幅な債務圧縮(借金の減額)を受けられる可能性があります。
一方で、自己破産(債務の全額免責を求める手続き)を選択する場合には注意が必要です。
自己破産では、破産法第252条に規定される免責不許可事由(債務の免責が認められない理由)に「浪費やギャンブルによる債務」が含まれているためです。
そのため、浪費が原因の借金で自己破産を申し立てた場合、裁判所が借金の返済義務を免責しない可能性もあります。
このように、同じ債務整理であっても、免責不許可事由の有無によって、浪費による借金への対応が大きく異なる点に注意が必要です。
個人再生の手続き中に浪費をしたらどうなる?
個人再生は、借金の原因が浪費であっても原則として利用できます。
しかし、手続きの最中に浪費をすると、次のような影響が生じる可能性があるため、慎重な行動が求められます。
裁判所が手続きを認めない可能性
個人再生は、借金を大幅に減額し、その残りを一定のスケジュールに従って返済する制度です。債権者は大きな債権カットを受け入れることになるため、債務者には誠実な返済態度が求められます。
このような状況で浪費が発覚すれば、「返済計画を守る意思がない」と裁判所に判断され、手続きが認められない可能性があります。
また、手続き中には履行可能テスト(あらかじめ一定額を支払えるか確認する制度)がありますが、浪費によって資金が足りなくなれば、このテストに失敗するリスクもあります。
さらに、裁判所は家計簿や通帳などを通じて債務者の金銭の動きを把握しています。「バレないだろう」と考えて浪費するのは非常に危険です。
個人再生の認可後に浪費をしたらどうなる?
手続き完了後(認可後)は、法律上お金の使い方に制限はなく、浪費をしてもそれ自体が違法となるわけではありません。
しかし、借金の返済義務は残っており、浪費が続けば以下のような深刻な問題を引き起こす可能性があります。
返済が滞れば、手続きが取り消される可能性
浪費だけで認可が取り消されることはありません。
しかし、浪費によって返済ができなくなれば、減額や分割払いの効果が失われ、元の借金を一括で返済する義務が生じます。
返済スケジュールは基本的に無理のない設計になっていますが、それでも金銭管理を怠れば返済継続は難しくなります。
救済制度の対象外になる可能性
個人再生後の返済困難には、「ハードシップ免責」という制度があります。これは、重病や失業など、本人に責任のないやむを得ない事情に限って、残りの返済義務を免除してもらえる制度です。
しかし、浪費が原因で返済できなくなった場合、この制度は利用できません。
その結果、他の法的な救済措置を利用することは難しくなり、最悪の場合、減額前の借金を全額返済しなければならなくなるおそれがあります。
個人再生は、生活を立て直すための貴重な制度です。
手続き中も認可後も、浪費によって制度の効果が失われる、あるいは借金の負担が増す可能性があります。
制度のメリットを最大限に活かすためにも、計画的で慎重な金銭管理が不可欠です。
【関連記事】個人再生ができないケースとは?失敗ケースや行う際のポイントも解説
まとめ
個人再生の手続き中の浪費は、裁判所が返済計画を認めるかどうかに影響を与える可能性があります。
借金の減額を受けるためにも、手続き中は無駄な出費を避けることが重要です。
また、個人再生の認可後は、法律上お金の使い方に制限はありませんが、浪費が原因で返済が滞ると、認可が取り消されるおそれがあります。
着実に返済を続け、借金を完済するためにも、計画的な金銭管理を心がけましょう。
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監修者

氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)
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