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債務整理の弁護士費用の目安:司法書士との違いや支払えない場合の対処法等も解説

個人再生 弁護士費用 相場

借金の返済が困難になったときには、債務整理の利用を含めた対応策を検討することが重要です。

債務整理は、借金を減らしたり返済義務をなくしたりするための制度ですが、これを進めるためには、専門的な手続きが必要になります。そのため、債務整理を行う際には、弁護士または認定司法書士に依頼するのが一般的です。

そこで今回は、債務整理にかかる弁護士費用の一般的な目安について、司法書士に依頼する場合との違いや費用の支払いが困難なときの対処法とともに、わかりやすく解説します。

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債務整理の弁護士費用に基準・相場はない

債務整理は、「任意整理」「個人再生」「自己破産」と、主に3種類の手続きに分かれます。

このうちの任意整理は、債務者との直接交渉によって借金の一部を減額する手続きです。また、個人再生は裁判所を通じて借金を大幅に減額する手続きであり、自己破産は一定の債務を免除(支払い義務を免責)する手続きです。

これらの手続きは、多くの場合弁護士に依頼し、進めていきます。そこで気になるのが、弁護士費用としてどれくらいの費用が発生するのかということでしょう。

実は、債務整理の弁護士費用には、明確な基準がありません。債務の状況や弁護士事務所の費用体系などによって、支払う弁護士費用は変わります。また、債務整理の種類(任意整理・個人再生・自己破産)によっても費用には違いがあることから、弁護士費用はケースバイケースであるといえるでしょう。

ただし、任意整理の弁護士報酬については、日弁連による「債務整理事件処理の規律を定める規程」にて、報酬の上限が定められています。具体的な弁護士費用は、規定の範囲内で、弁護士と依頼者が協議して決めることになります。

 

債務整理にかかる費用の目安

ここからは、債務整理にかかる弁護士費用の目安について、債務整理の種類ごとにご紹介します。ご紹介するのはあくまで目安であり、実際の費用とは異なるのでご注意ください。

任意整理

任意整理にかかる弁護士費用の目安は以下のとおりです。

■着手金
東京三弁護士会法律相談センターが定めた「クレジット・サラ金報酬基準」では、任意整理の着手金は債権者1社あたり2万円以下が上限とされています(出典:第二東京弁護士会「NIBEN Frontier」46ページより)。

■報酬金
同基準では、任意整理の報酬金も債権者1社あたり2万円以下とされており、過払金が返還された場合の報酬金は回収額の20%以下が上限とされています(出典:第二東京弁護士会NIBEN Frontier」46ページより)。

通常は上限より低い金額で算定すべきとされているため、具体的な費用は事案の内容や依頼者の状況に応じて決まります(出典:第二東京弁護士会「NIBEN Frontier」47ページより)。

※事務所によって異なるため、実際の金額はご相談時にご確認ください。

任意整理は、将来利息のカットや返済期間の延長などについて債権者と交渉し、借金の負担を軽減する手続きです。裁判所を介さない私的な和解手続きであるため、裁判所費用は発生せず、弁護士費用のみが必要となります。

個人再生

個人再生にかかる弁護士・裁判所費用の目安は以下のとおりです。

【弁護士費用】
東京三弁護士会法律相談センターの「クレジット・サラ金報酬基準」では、破産事件の着手金および報酬金はそれぞれ20万円以下とされています(出典:第二東京弁護士会「NIBEN Frontier」46ページより)。この金額は上限であり、通常は上限より低い金額で算定すべきと明記されています。

ただし、個人再生事件については、破産事件と同様の具体的な上限額の明記は確認されていません。そのため、個人再生の弁護士費用は、事案の内容や処理の複雑さ、経済的利益等によって異なるため、実際の金額は依頼時に弁護士に確認する必要があります。

【裁判所費用】
■申立手数料
東京地方裁判所民事第20部が公表されている「破産事件の手続費用一覧」によれば、個人の自己破産・免責申立ての申立手数料は1,500円です。

■予納金(官報公告費・破産管財人報酬)
同時廃止事件:官報公告費用として11,859円(現金納付の場合は12,000円)が必要です(出典:東京地裁民事第20部「破産事件の手続費用一覧」より)。
少額管財・通常管財事件(破産管財人が選任される場合):官報公告費用として18,543円(現金納付の場合は19,000円)に加え、最低20万円の引継予納金が必要です。予納金は事案の内容により増額されることがあります(出典:東京地裁民事第20部「破産事件の手続費用一覧」より)。

■郵便切手代(予納郵券)
東京地裁では、自己破産申立てに必要な予納郵券として4,950円が示されており、内訳は以下のとおりです(出典:東京地裁民事第20部「破産事件の手続費用一覧」より)。

・500円切手×4枚
・180円切手×1枚
・110円切手×22枚
・50円切手×4枚
・10円切手×15枚

申立件数や事件の内容によっては、追加の切手が必要となる場合があります。

※上記の費用はあくまで一般的な目安であり、個別事情や裁判所の運用、弁護士の報酬体系によって変動します。実際の金額はご相談時にご確認ください。

個人再生は、裁判所の認可を受けて借金の大幅な減額を実現し、原則3〜5年の分割返済を行う民事再生手続きです。原則として借金は5分の1(最低弁済額100万円)に減額されるのが一般的です。

また、「住宅ローン特則(住宅資金特別条項)」を利用することで、住宅を維持したままその他の債務のみを整理することも可能です。この特則を利用する場合は、追加の法的処理が必要になるため、弁護士費用が高くなる傾向があります。

【関連記事】個人再生とは?手続きの流れや任意整理・自己破産との違い等も解説

自己破産

自己破産にかかる弁護士・裁判所費用の目安は以下のとおりです。

【弁護士費用】

東京三弁護士会法律相談センターが定める「クレジット・サラ金報酬基準」では、破産事件(通常の同時廃止事件)における弁護士の着手金と報酬金の上限は、それぞれ20万円以下とされています(出典:第二東京弁護士会「NIBEN Frontier」46ページより)。この金額はあくまで上限であり、「原則としてこの上限を下回る金額で定めるべき」といった内容も明記されています。

ただし、具体的な弁護士費用は、事件の難易度や債務の額、資産状況、同時廃止か管財事件かなどによって変動します。そのため、実際の金額はご相談時にご確認ください。

【裁判所費用】

■申立手数料(収入印紙)

東京地方裁判所民事第20部が公表している「破産事件の手続費用一覧」によれば、個人の自己破産・免責申立ての申立手数料は1,500円です。

■予納金(官報公告費・破産管財人報酬)

同時廃止事件(財産がほとんどない場合)では、官報公告費用として11,859円(現金納付の場合は12,000円)が必要です(出典:東京地裁民事第20部「破産事件の手続費用一覧」より)。

少額管財事件・通常管財事件(破産管財人が選任される場合)では、官報公告費用として18,543円(現金納付の場合は19,000円)が必要となります。また、破産管財人の報酬として最低20万円の予納金も必要です(出典:東京地裁民事第20部「破産事件の手続費用一覧」より)。

この予納金は、財産の内容や調査の複雑さに応じて増額される場合があります。

■郵便切手代(予納郵券)

東京地裁では、自己破産申立ての際に必要な郵便切手として、4,950円分の郵券が定められています。内訳は以下のとおりです(出典:東京地裁民事第20部「破産事件の手続費用一覧」より)。

・500円 ×4枚
・180円 ×1枚
・110円 ×22枚
・50円 ×4枚
・10円 ×15枚

事件の内容や送付書類の数により、追加で切手が必要となる場合もあります。

※弁護士費用・裁判所費用は事務所や地域、個別事情により異なる場合があります。

自己破産とは、裁判所を通じて借金の返済義務を免除してもらう手続きであり、支払不能の状態にある債務者が自ら申し立てを行う制度です。手続きには「同時廃止」「少額管財」「通常管財」の3種類があり、債務や財産の状況に応じて分類されます。

特定調停

債務整理には、任意整理・個人再生・自己破産のほかに、「特定調停」という裁判所手続があります。

特定調停とは、債務者の申立てにより、簡易裁判所が仲介役となって債務者と債権者との間で返済条件の調整を行う制度です。

弁護士に依頼せず本人でも申立て可能であるため、弁護士費用は不要となる場合もあります。

必要となる費用は主に裁判所費用であり、東京簡易裁判所の「特定調停申立てQ&A」によれば、個人が申し立てる場合の費用は以下のとおりです。

・申立手数料(収入印紙):債権者1人(1社)につき500円
・予納郵便切手:債権者1人あたり500円分(内訳:100円切手×4枚、10円切手×10枚)

なお、手続の進行に応じて追加の切手が必要となる場合がありますので、詳細は申立て時に裁判所へ確認することが推奨されます(出典:東京簡易裁判所「特定調停申立てQ&A」より)。

 

弁護士と司法書士の費用の違い

債務整理の手続きについては、司法書士に依頼するという選択肢もあります。一般的には、司法書士費用の方が、弁護士費用よりもやや安く済むことが多いようです。

ただし、司法書士が代理で行える手続きは、弁護士と比較して大幅に制限されている点には注意が必要です。

例えば、任意整理において司法書士が代理人となれるのは、借入1社につき元金が140万円以下の場合に限られ、これを超える債務については代理できません。また、簡易裁判所での訴訟代理を行えるのは、特別な研修を受けた「認定司法書士」のみです。

なお、個人再生や自己破産においても、司法書士は書類作成支援にとどまり、申立て以降の手続きは債務者自身が行う必要があります。

その一方で、弁護士は全てのケースにおいて、債務者の代理人を務めることが可能です。

 

債務整理の弁護士費用を支払えない場合の対処法

債務整理にあたっては、弁護士費用をすぐに全額支払うのが難しいという方もいるでしょう。そのような場合には、以下の方法を検討しましょう。

費用の分割払いができる弁護士事務所を選ぶ

費用の分割払いに対応している弁護士事務所は、多く存在します。

すぐに弁護士費用の全額を支払うことができない場合には、分割払いが可能な弁護士事務所に手続きを依頼し、分割で費用を支払うことを検討しましょう。

弁護士に債務整理の手続きを依頼した場合、弁護士はまず債権者へ受任通知を送付します。債権者が受任通知を受け取ると、督促や返済はストップします。

この返済がストップしている期間を活用して、今後支払う弁護士費用を積み立てていくことが望ましいです。

法テラスの費用立て替え制度を利用する

法テラス(日本司法支援センター)とは、法的トラブル解決のために国によって設立された機関です。

法テラスでは、弁護士費用の立て替え制度(民事法律扶助制度)が用意されています。この制度では、弁護士費用を法テラスが立て替え、依頼者はその費用を法テラスに原則として分割して返済していくことになります。

弁護士費用をまとめて支払うのが困難な方は、この制度を利用するのも一つの方法です。

ただし、法テラスによる立て替え制度の利用は、収入や資産が一定の基準以下であること、勝訴の見込みがあること、民事法律扶助の趣旨に適することなどの条件を満たす方に限られます。詳しくは、法テラスのホームページをご確認ください。

 

まとめ

債務整理にかかる費用に明確な基準はなく、手続きの種類や債務の状況、弁護士事務所などによって金額は異なります。具体的な費用については、弁護士に相談する際に必ず確認し、事前に支払い計画を立てておくことが大切です。

また、費用を分割で支払いたい場合には、分割払いが可能かどうかも依頼前に確認しておきましょう。

費用を抑えるためには、司法書士に依頼したり債務者自身が手続きを行ったりすることも可能ですが、その場合、債務者が負う負担は大きなものになります。負担を抑えながらスムーズに手続きを進めるためにも、債務整理は弁護士へ依頼することをおすすめします。

借金問題にお悩みの方は、弁護士法人リーガル東京へご相談ください。実績豊富な弁護士が、一人ひとりに最適な解決策を提案し、手続きを手厚くサポートします。

まずはお気軽にご相談ください。

 

監修者


氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)

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