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リースバックの家賃設定方法・家賃相場|家賃を安くする方法等も解説

任意整理の手法の1つである「リースバック」は、住宅ローンの滞納などやむを得ない事情で自宅を売却した後も、賃貸化した我が家に住み続けられる方法です。リースバック後は自宅の所有権を手放すことになりますが、家賃を支払う必要があります。

そこで、今回の記事ではリースバックの家賃について、設定方法や相場を詳しく解説します。家賃を安くする方法も併せて解説しますので、ぜひご一読ください。

リースバックの家賃相場

リースバックは一般的な賃貸契約における家賃よりも、やや高い価格で設定されています。年間の家賃は売却した不動産価格の「約10%」が相場と言われております。

たとえば、不動産価格の10%位を賃料と設定した場合、1,000万円で住まいを売却し、リースバックして暮らし続ける場合は、年間約100万円が家賃の相場です。毎月約8.3万円程度の家賃が発生することになります。

最近はリースバック業者が増加しましたので、複数の業者に問い合わせることができるようになったため、自分の条件に合った業者を見つけるチャンスが増えました。そのため、家賃も相場より低くなりつつありますが、住宅ローンの支払いよりも家賃が高額の場合には、再び滞納するリスクがあるため慎重に判断する必要があります。

リースバックの家賃設定方法

では、リースバックにおける家賃は一体どのように決定するのでしょうか。

リースバック物件の購入は不動産会社などが投資目的に行うことが多く、物件の貸主となることで、家賃収入と最終的に売却することでの利益を得ることを目的にしています。
そのため、通常の賃貸物件とは異なり、買主の期待利回りが家賃の設定に影響します。

期待利回りとは、年間の家賃収入が買取価格に占める割合のこと指し、年間でどのくらいの家賃収入が見込めるのかの指標です。例えば、購入金額が1,000万円で、年間の家賃収入が100万円の場合、期待利回りは10%です。リーガル東京でご紹介できる顧客の場合、期待利回り8%前後の場合が多く、賃料設定と売却価格も柔軟に対応いたします。

家賃設定には地域差もある

一般的に、リースバック物件の期待利回りは、約6%~13%が目安とされますが、物件のある地域によっても変動します。
都市部では入居希望者が多いため、多少低く期待利回りを設定しても収入が見込めますが、地方や都市郊外などは入居希望者が都市部より少ないため、確実に利益を得るために期待利回りを高くしたいと考える投資家が多いでしょう。

リースバックの家賃の計算方法

リースバックの家賃を具体的に決めるにあたっては、どのような計算方法が採用されているのでしょうか。詳しく解説していきます。

積算法

リースバックの家賃の計算方法には、不動産売却価格を基にする積算法と呼ばれる方法が使用されます。
積算法では、不動産売却価格に期待利回りの割合を乗じ、月々の家賃を計算するために12カ月で割って算出します。

■売却価格 ×(期待利回り:6~13%)÷ 12ヶ月 =月々の家賃

リースバックの家賃の例

ここでは、実際に家賃がどのくらいの金額になるのか、例をあげて見ていきます。

例1:売却価格3,000万、期待利回り10%の場合
(3,000万円×10%)÷12ヶ月=25万円

例2:売却価格3,000万、期待利回り8%の場合
(3,000万円×8%)÷12ヶ月=20万円

以上を見てもわかる通り、同じ売却価格でも期待利回りが低ければ賃料も低額になります。

売却価格が高いと家賃も高くなる

ご紹介してきたように、リースバック時の家賃は売却価格が基になります。そのため、売却価格が高くなるにつれて、月々の家賃も高くなります。

可能な限り高い金額で物件を売却したいと考える方が多いと思いますが、リースバックをする際は、その金額が家賃設定に大きく影響するため、月々支払いができる家賃の金額も考慮しながら、売却価格を決めていく必要があるのです。

リーガル東京でご紹介できる顧客の場合、期待利回り8%前後の場合が多く、賃料設定と売却価格も柔軟に対応いたします。

リースバックの家賃に物件周辺の家賃相場は関係ない

リースバックの家賃設定では、売却価格と期待利回りが大きく影響を与えることがわかりました。では、リースバックの家賃は、物件の周辺にある家賃相場の影響を受けるのでしょうか。

結論から言うと、リースバックの家賃設定に、物件周辺の家賃相場は影響を及ぼしません。
一般的な物件の場合、入居希望者は相場を見ながら入居を判断しますが、リースバックは任意売却の1つの手法であり、あらかじめ入居者が決まっています。そのため周辺の相場と照らし合わせる必要がないのです。
そのため、周辺の物件よりも家賃が高くなるケースも多いです。

リーガル東京がご紹介する買主は、物件周辺の家賃相場を考慮した家賃設定を考えるお客様ですので安心できます。

リースバックの売却価格(買取価格)の相場

ここでは、リースバックの家賃設定の基になる売却価格の相場について、確認しておきましょう。リースバックによる不動産の売却価格の相場はどのぐらいなのでしょうか。

リースバックを利用すると、住まいを売却した後に、引き続き今度は借主として同物件に住み続けられます。しかし、リースバックには一般的に居住できる期限が設けられており、買い戻しが行われることが前提とされます。

しかし、買主側は買い戻しがなされないことも想定しているため、必要に応じて転売することも考慮した上で、投資物件として購入します。通常の不動産物件よりリスクがあるため、リースバック物件は一般市場価格よりも安い売却価格となります。相場としては、一般不動産市場の価格の60~80%とされています。

リースバックの家賃を安くするには

リースバックの家賃を安くするためには、一体どうすれば良いのでしょうか。以下3つの方法をご紹介します。

方法1 物件の売却価格を下げる

売却する住まいの価格を下げれば、家賃は下げることができます。しかし、その分売却代金としてまとまった資金は手に入らないというデメリットもあります。
住宅ローンの残債金額、支払い可能な家賃の金額等を十分に検討した上で物件の売却価格を下げることを検討しましょう。

方法2 定期借家契約にする

賃貸契約には普通借家契約と定期借家契約の2つの契約方法がありますが、定期借家契約の方が期待利回りが低くなる傾向にあります。よって家賃も低くなります。

しかし定期借家契約は、更新ができない賃貸契約です。そのため、引き続き同じ住まいに住み続けるには、契約期間満了後に買い戻さなければなりません。もし買い戻しができなければ、原則退去する必要があります。

買主の希望で定期借家契約となる可能性もありますが、契約更新を優先するのであれば普通借家契約を希望しましょう。

方法3 複数の会社に相談する

任意売却やリースバックは複数の不動産会社が取り扱いを行っています。会社によって不動産売却価格や家賃設定の計算方法は異なっているため、まずは複数の会社に相談をしてみることがおすすめです。
また、リースバックは背景に住宅ローンの滞納など、やむを得ない事情があるため、不動産や任意売却、債務整理にも詳しい弁護士にも相談することが望ましいでしょう。

まとめ

今回の記事では、リースバックの家賃設定方法や家賃の相場について、詳しく解説を行いました。家賃を安くする方法も合わせて解説しましたので、ぜひ参考にしてください。リースバックが必要となる場面では、債務整理なども含めて検討する必要があり、まずは弁護士へご相談されることがおすすめです。

弁護士法人リーガル東京では、リースバックはもちろん、任意売却や債務整理に関しても多数の実績があります。まずはお気軽にご相談ください。

監修者


氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)

-コメント-
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