【そのリースバックは罠?】悪徳業者には注意が必要
任意売却をする際に検討できる解決策の1つに「リースバック」がありますが、「リースバックは罠がある」という情報もネット上に散見されます。本来はメリットも大きいリースバックですが、なぜこのような情報が流れているのでしょうか。
その背景には、「悪徳業者」の存在が挙げられます。そのため、リースバックを利用する際には、信頼できる業者に依頼をしなければなりません。
そこで、この記事では「騙された!」というトラブルを避けるために、リースバックについて「悪徳業者」を見極めるヒントを詳しく紹介します。ぜひご一読ください。
リースバックに罠があると言われる理由
自宅を使って安全に「資金調達」ができるリースバックですが、罠があると言われることがあります。
では、どうしてリースバックにはこのような悪い情報が流れるのでしょうか。その理由には以下の5つが挙げられます。
理由1 リースバックの仕組みが理解されていない
リースバックは一般的な不動産売却とは異なり、自宅を売却した後に、賃貸化した自宅に住むために買主との間で賃貸借契約を結びます。任意売却の際に検討できる方法でもあるため、一般の人からすれば「複雑」な手続きに見えるでしょう。
その複雑さゆえ、リースバックの仕組みを正確に理解できずに「そんな良い話あるはずがない」と、リースバックが罠だと思われているのかもしれません。
理由2 リースバックのキャッチコピーが怪しく見える
リースバックなら自宅を売却して売却代金を得た後も、引っ越しをする必要がありません。リースバックをアピールするキャッチコピーには、「今の住まいを変えずに売却できる!」といったキャッチコピーを見かけることがあります。
住宅を売却したのに暮らせるとはどういう意味なのか、キャッチコピーだけでは伝わらないため、怪しい印象を与えてしまっている可能性があります。
理由3 悪徳業者が存在する
リースバックは、事業や老後の資金を獲得したり、住宅ローンを支払えなくなり任意売却をしたりする際に活用できるものです。特に任意売却となれば、競売に至る前に売却を成立させる必要があるため、売主は「早く売りたい」と考える人も多いです。
そこに付け込もうと、悪意を持って近寄ってくる業者がいるのも残念ながら事実です。相場とはあまりにも違う費用を提示したり、売主に不利な契約内容を提案したりする業者もおり、リースバックのイメージが悪くなっていると考えられます。
理由4 業者によって買取価格の差が大きい
リースバックは多くの不動産会社や専門業者が取り扱いをしていますが、業者によって不動産の買取価格や提案される賃料は大きく異なっています。
リースバックの場合の賃料は、買主の期待利回りから算出されるため、業者によって差が出ることは不思議ではないですが、見積もりの金額の差が大きければ、不安に感じてしまう方もいるでしょう。
リースバックの家賃設定を詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
「リースバックの家賃設定方法・家賃相場|家賃を安くする方法等も解説」
理由5 不動産業界自体に対する印象の悪さ
不動産業界に対して良い印象を持っていない方の場合、リースバックも不動産売買ではあるので、先入観で印象が良くない方もいるでしょう。
不動産の営業に対して「強引な買取や売却を行う」「しつこい勧誘を繰り返す」などのイメージがある場合は、リースバックへの抵抗感を深めてしまっている方もいるかもしれません。
リースバックの悪徳業者の手口
ほとんど業者が真面目にリースバックに取り組んでいますが、悪徳業者がいることも事実です。では、悪徳業者は一体どのような手口を使うのでしょうか。この章で詳しく解説します。
1 契約更新に応じず退去を求めてくる
悪徳業者は、賃貸借契約の更新のタイミングで更新に応じずに、退去を求めてくることがあります。
リースバックにおける賃貸借契約には次の2つの方法があります。
①普通借家契約…賃貸借契約の更新あり
②定期借家契約…賃貸借契約の更新なし(再契約は可能)
悪徳業者は十分な説明もなく②の契約を行い、期間満了となったタイミングで再契約には応じないという手口で退去をせまるのです。契約更新や再契約ができなければ、退去しなければいけなくなってしまいます。
また、普通借家契約でも、契約更新時に賃料の値上げを求められることもあるため、注意は必要です。
2 適正価格とかけ離れた買取価格・家賃・手数料を提示してくる
リースバックの場合、一般的な不動産売買における相場よりも低い売却価格になることが多いです。また、家賃も相場より高くなる場合があります。
買主のリスク回避や期待利回りの観点からやむを得ない部分もありますが、あまりにも適正価格とかけ離れた買取価格や家賃を提示してくる悪徳業者もいます。
また、悪徳業者が「法外な値段」で手数料などを求めてくることがあります。不動産業者側が事務手数料、仲介手数料などにおいて、法外な値段で請求をしてくるのです。
未然にトラブルを回避するためにも、リースバックにおけるトラブル事例を知っておくようにしましょう。こちらの記事で詳しく解説しています。
「リースバック~トラブル事例と回避するためのポイント解説~」
リースバックの罠にはまらないための注意点
残念ながら悪徳業者もいる中で、リースバッグの罠にはまらないようにするためには、一体どのような注意点を押さえておくべきでしょうか。この章ではリースバック時の注意点を詳しく紹介します。
注意点1 リースバックの仕組みを正確に理解する
リースバック自体はメリットも大きい仕組みであり、必要以上に怖がる必要はありません。取引を成功させるためにも、仕組みを正しく理解しましょう。
不安がある場合は、複数の業者に見積もりを依頼し比較検討してください。
また、リースバックの正しい仕組みを理解するためには、国土交通省が公開しているガイドブックがおすすめです。リースバックの利用例もわかりやすく掲載されています。
注意点2 契約内容を細部まで確認する
トラブルのないリースバックを実現するために、契約書の中身をきちんと細部まで確認しましょう。
特に「普通借家契約」か「定期借家契約」かは、必ず確認してください。
また、以下の内容もあわせて確認しておくと良いでしょう。
■リースバック契約で確認する主な内容
・契約者名(賃貸借契約を行う上での貸借人と賃借人の名前)
・住宅の売買価格
・毎月の賃料や敷金・礼金の有無
・決済が行われる日
・買い戻しを行う際の条件
・再契約に関すること など
注意点3 全ての条件を契約書に盛り込む
リースバックの契約書を作成する段階が来たら、「全ての条件」を契約書に盛り込むことが重要です。口頭で確認したことも、契約書内に記載されていなければ、本当に約束を守ってくれるかは分かりません。口約束を信じず、必ず契約書に記載するようにしてください。
取引の具体的な条件をはっきりと記載し、契約者双方で漏れがないことを確認したうえで、契約を結ぶことがトラブルを防ぐためには重要です。
注意点4 買取価格の相場を把握する
リースバックを行う場合、一般的な不動産市場における買取価格よりは低くなるものの、現在の住宅の適正な買取価格を知っておくことは欠かさないようにしましょう。特に任意売却の場合は、売買代金を住宅ローンの返済に充当するため、少しでも高く売りたいと考える方は多いでしょう。
周辺の類似物件の売却価格などを1つの目安とし、あまりにも低い価格で売却しないように提示される価格をチェックするようにしましょう。注意深く市場動向を分析している姿勢を見せると、悪徳業者に騙されるトラブルを避けられます。
リースバックが怪しいと考える人のよくある疑問
リースバックはその仕組み自体を「怪しい」を感じてしまう人もいます。ここでは、怪しいと感じる人が抱く疑問に回答していきます。
Q1.強制的に退去させられるのでは?
売却した家に賃貸で住むとなると、いずれ「強制的に退去させられるのでは?」と不安に感じる人もいるようです。しかし、リースバックでは普通借家契約ができるケースや、定期借家契約でも再契約ができる場合もあります。契約段階でしっかりと確認を行えば、ある日突然強制的な退去を命じられることはありません。
Q2.修理や修繕をしてくれないのでは?
これまで大切に暮らしてきた住宅を売却したら、賃貸借契約を交わしても修理や修繕をしてくれないのではないかと感じる人もいます。
しかし、急な住まいのトラブルについては、しっかりと買主側に相談すれば、一般的な賃貸物件と同じで修理や修繕を認めてくれることが多いでしょう。修理や修繕は「賃料に見合っているか」が1つの判断基準です。
しかし、リフォームなどの改築には応じられないことが多いでしょう。この点も賃貸借契約時に必ず確認してください。
Q3.住宅ローンが残っていたらリースバックできないのでは?
「住宅ローンを完済しないと売却できない」と知っている人も多いため、住宅ローンが残っている住まいをリースバックできるのか疑問に思う方も多いかもしれません。
住宅ローンの返済に行き詰まり、任意売却を検討する場合、今の暮らしを継続できるリースバックを活用することは可能です。引っ越しをせずに暮らせるため、転校や転職などを避けられるメリットがあります。また、住宅を売却することで、固定資産税などの負担からも解放されます。
ただし、住宅ローンの返済よりも家賃が高額になってしまっては意味がありません。必ずリースバック後の家賃が支払えるのか、確認するようにしましょう。
まとめ
この記事では、リースバックの罠について、悪徳業者の特徴にも触れながら詳しく解説しました。残念なことにリースバックを取り扱う業者の中には悪徳業者も存在していますが、リースバック自体はメリットもある仕組みです。
リースバックは任意売却時にも活用できますが、きちんとその仕組みやデメリットも知っておかないと後悔することになりかねません。そこで、任意売却、リースバックについては実績豊富な弁護士に相談されることがおすすめです。弁護士は法的な知識と経験ともとに、あなたの心強い味方として適切にリースバックをサポートできます。
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監修者
氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)
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