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店舗・工場などを所有する法人(会社など)がリースバックするメリット5選!デメリットやおすすめする企業等も解説

リースバック メリット 法人

個人が不動産を売却する方法として広く知られている「リースバック」。実は、自動車整備工場などの町工場、スーパーや美容室などの店舗の法人も利用できることはご存じでしょうか。財務状況が厳しい法人が資金調達を目的にリースバックを行うケースが多い一方で、事業の継続や資産の有効活用を考える法人にとっても有効な手段となり得ます。

この記事では、法人がリースバックを活用するメリットやデメリット、おすすめする企業の特徴について解説します。

 

法人(会社など)向けのリースバックの目的

法人が行うリースバックの主な目的は、法人が所有している不動産をリースバック会社に売却し、得られた売却代金を事業資金などに活用することです。まず法人が不動産を売却し、その後売却した不動産を借りる「リース契約」を結びます。この手続きにより法人は、「不動産売買による資産調達」と「物件利用の継続」の両方を実現できるのです。

さらにリースバック時の契約によっては、リースバックの際に売却した不動産を買い戻すこともできます。自社の資産を生かして手軽に事業資金の獲得ができるため、リースバックは法人の利用も多いのです。

 

こんな企業様にリースバックがおすすめ

では、どのような企業様にリースバックはおすすめなのでしょうか。この章で詳しく解説します。

融資に不利な理由がある

何らかの事情があり融資を受けられない企業の場合、自社の不動産をリースバックすることで事業資金を得ることができます。

例えば金融機関からの借入がすでに多い場合や、財務状況が低下している場合などは、銀行や投資家から融資を受けにくくなるでしょう。そんな時に、リースバックは最適な資金調達方法です。

リースバックは不動産売買であるため、金融機関の審査が必要ありません。そのため融資に不利な理由がある時でも積極的に活用することが可能です。

事業再編と資金調達

事業再編や資金調達を検討している企業にとって、現在使用しているオフィスや事業所の不動産の活用方法は重要です。

リースバックを利用すれば、オフィスや工場などの不動産を売却し、まとまった資金を調達できますが、売却後もその場所を賃貸して継続利用できるのが大きな特徴です。これにより、資産を柔軟に運用しながら事業を継続できるため、リースバックは効率的な資金調達手段となります。

 

法人がリースバックを利用するメリット5選

法人がリースバックを利用するメリットとは、具体的にどのようなものでしょうか。この章ではメリットを5つに分けてご紹介します。

迅速な資金調達が可能

リースバックは他の資金調達方法に比べ、迅速に資金を手に入れることができます。融機関の審査準備・審査期間が必要な銀行の融資に比べると、かなりスピーディーに資金調達が可能です。ベンチャー企業などのスピードが求められる企業にとっては、最適な資金調達手段と言えます。

加えてリースバックの場合は、通常リースバック会社が不動産を買い取ります。そのため、買い手を探す時間も短縮されます。

資金の使い道が自由

金融機関の融資は資金使途に制限がありますが、リースバックで得た売却代金の使い道は自由です。たとえ資金の使い道に、企業としての後ろめたさがある場合でも利用することできます。例えば「業績悪化に対する補填」として銀行からの融資を受けたい場合、難色を示されることがあるでしょう。しかしリースバックは売却代金の使用用途に制限がないため、そういった状況にも活用することができるのです。

事業所を継続して使用できる

「事業資金を得るために所有不動産を売却したい」と考える一方で、「事業所は必要だから残したい」と考える方もいらっしゃるでしょう。

このように事業所の売却・保存を両方行いたい方は、リースバックを検討しましょう。リースバックを用いると、売却後にリース契約を結ぶため、引き続き同物件を利用することができます。事業所を維持しつつ資金が得られるため、移転をする必要もありません。

財務状況の改善

企業の収支には波があり、一時的に赤字が続くこともあるでしょう。財務状況の変化によっては、大きな資金を確保する必要があります。

そこでリースバックを利用すると、大きな資金を1度に入手でき、悪化した業績を立て直すための投資に回すことができます。また、税金の滞納や債務超過を解消することも可能です。リースバックの売却代金の使い道は制限されていないため、事業回復のために最も必要な場所に資金を投じることができるのです。

売却後に買い戻せる

通常の不動産売却では一度不動産を売却すると、再び買い戻すことは難しいです。しかしリースバックの一環として行う不動産売買であれば、再売買の予約」を行っておくことで、不動産を再び買い戻せるという大きなメリットがあります。つまり売却で得た資金を元手に事業を回復させ、経営が安定したら買い戻すことが可能なのです。

 

法人がリースバックを利用するデメリット

このようにメリットが多いリースバックですが、同時にデメリットもあります。この章では、リースバックを行う前に知っておきたいデメリットについて解説します。

売却価格は相場よりも安くなる傾向がある

リースバックによる不動産の売却価格は、相場よりも安くなる傾向があります。

その理由は、買主側にあります。

前提として買主は、購入した不動産をすぐに売却したり、別の人に貸したりすることができません。

そのため買主は家賃滞納リスクなどに備え、通常の相場よりも安値で物件を購入したいのです。

もちろん売却価格が安いことが、即座に悪いことであるとは言い切れません。なぜなら売却価格が低い分、購入者も利回りを確保しやすくなり、賃料も安くなる可能性があるためです。

リースバックを利用する際は、売却代金と賃料のバランスを考慮し、自社にとってメリットの大きい選択肢をとりましょう。

賃料が相場よりも高い場合がある

リースバック後の賃料は、一般的な賃貸物件の相場よりも高く設定される傾向にあります。その理由は先述の通り、「買主が利回りを確保するため」です。将来的に安定して賃料を支払っていくためには、賃料と売却代金のバランスに注意する必要があります。

 不動産を自由に改修できなくなる

リースバック後は売主側が賃借人(借主)、買主側が賃貸人(貸主)となります。物件の所有権は賃貸人(貸主)にあるため、建物を自由に改修することが難しくなります。

もし改修や改築を希望する場合、賃貸人側から許可を得た後に施工することになるため、注意が必要です。

 

 町工場・店舗などがリースバックを行うメリット

自動車整備工場などの町工場、スーパーや美容室といった店舗もリースバックを通じて資金調達が可能です。財務状況に応じて、事業の特性を活かしながらリースバックを活用するメリットについて解説します。

自動車整備工場

自動車整備工場が新しい機器や技術を導入する際、リースバックを利用すれば、必要な資金を迅速に調達できます。これにより、最新の技術や設備を導入し、競争力を高めることができるため、業界内での地位を維持または強化できます。
また、自宅兼事務所の場合は移転を避けることができます。

スーパーマーケット・小売店

スーパーマーケット・小売店は地域密着型のビジネスであり、店舗の移転が売上に大きな影響を与えることがあります。しかし、リースバックを利用すれば、現在の店舗を維持しながら資金調達が可能で、顧客基盤を守りつつ事業を継続できます。

 美容室

美容室では、技術力だけでなく、固定客との信頼関係がとても重要です。リースバックを利用することで、急な資金需要に応じながらも移転を避けることができ、顧客関係を維持しながら営業を続けられる点がメリットです。

 

法人向けリースバックの契約手順

これまで法人がリースバックを行うメリット・デメリットについて解説しました。この章では、法人がリースバック契約を結ぶ手順について解説します。

①リースバック会社への相談・申し込み

不動産売却などを手掛けるリースバック会社に連絡し、自社物件のリースバックを検討している旨を伝えます。

②査定

不動産売却を行うために、まずは自社不動産の査定を依頼します。金額によっては別のリースバック会社と比較しながら検討しましょう。

③審査・契約の締結

リースバック契約を結ぶ前に、審査が行われます。その後契約内容を確認の上で締結します。

④決済

契約を締結したら、実際の不動産売買に移行します。売買代金の決済・所有権移転の登記などを行い、賃貸契約を開始します。

 

まとめ

この記事では、「法人がリースバックするメリット5選」というテーマを中心に、デメリットやリースバックがおすすめできる企業の特徴について詳しく解説しました。

リースバックは個人だけではなく、法人の事業資金調達にも大きなメリットがある契約です。大切な会社の資産を有効活用できますが、その一方で契約時には再売買の予約や賃料についてなど、細かく確認する必要があります。専門家のアドバイスを受けながら、慎重に進めることが大切です。

弁護士法人リーガル東京では、法人のリースバックに関するご相談・ご依頼にも丁寧に対応しています。豊富な解決実績を持つリーガル東京へ、まずはお気軽にご相談ください。

 

監修者


氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)

-コメント-
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