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リースバックで発生する費用・手数料とは?通常の不動産仲介売買との違い等も解説

リースバック 仲介手数料

自己所有の不動産売却によって、まとまった資金を得られるリースバックに関心を持つ方が増加しています。売却後も家賃を支払うことで引き続き自宅に暮らすことができるため、引っ越しも不要です。周囲に売却の事実も知られにくく、事業資金の獲得にも応用されています。

では、実際にリースバックをする場合には、どのような費用や手数料が発生するのでしょうか。本記事ではリースバックの費用に注目し、通常の不動産売買との違いもあわせて解説します。ぜひご一読ください。

 

リースバックとは

リースバックとは、所有している不動産を売却した後に賃貸借契約を結び、同じ物件に引き続き住み続けることができる仕組みです。買主は不動産会社だけでなく、個人投資家や賃貸経営会社の場合もあります。

また、契約内容によっては、将来物件を買い戻す条件を付ける事ができます。

【関連記事】リースバックとは何?わかりやすく仕組み・メリット・デメリットを解説

 

リースバックと通常の不動産売買の違い

リースバックと通常の不動産売買には重要な違いがあります。

通常の不動産売買では、不動産会社が売主と買主の間に入り、契約サポートを行うため仲介手数料が発生します。
一方、リースバックでは、買主が直接不動産会社や個人投資家や賃貸経営会社であるため、仲介が介在しないことが多く、そのような場合仲介手数料は発生しません。

ただし、契約内容や取引形態によっては仲介手数料が発生する場合があるため、契約時に確認が必要です。

 

リースバックの利用時に発生する費用

上記で述べたようにリースバックでは仲介手数料は発生しないことが多いようですが、実際に売買を行う際にはどのような費用が発生するでしょうか。

リースバックでは、売却時や賃貸借契約開始時に税金などが発生しますが、リースバックの買主に支払う直接的な費用(仲介手数料など)は発生しないことが多いようです。ただし、契約内容によっては事務手数料やその他の費用が発生する場合があるため、契約時に確認することが重要です。

また、リースバックでは、仲介手数料や事務手数料、査定費用を支払う必要が通常は無いようですが、契約によって異なる場合があるため、確認が大切です。もし売買代金の中から手数料などが引かれている場合、それが本来不要な費用である可能性があるため、注意してください。

 

不動産売却時に発生する費用

不動産を売却するにあたっては、費用が発生することを押さえておきましょう。詳しくは以下の通りです。

印紙税

リースバックでは自宅を売却するために、まずは買主側との不動産売買契約を結びます。不動産の売買契約書の作成時には印紙税がかかるため、印紙を購入して貼る必要があります。印紙税とは、契約書や領収書などの文書作成に対して発生する課税です。
印紙税の額については契約書に記載する不動産の売買代金によって異なります。詳しくは下記国税庁HPをご参考ください。

参考URL:国税庁HP No.7140 印紙税額の一覧表(その1)第1号文書から第4号文書まで

抵当権の抹消費用

リースバックでは自宅に抵当権が付いている場合でも、抵当権者への交渉によって売却することが可能です。住宅ローンの残債があり、返済に困っている方が任意売却の一環でリースバックを行うこともできます。
売却が決まったら抵当権を抹消する費用が必要ですが、この費用は売主側が負担する必要があります。抵当権の抹消費用は以下の内訳です。

・抵当権抹消の登録免許税…不動産一筆につき1,000円、土地一筆・建物一棟なら2,000円
・抵当権抹消を行う司法書士の手数料…相場は1~2万円

なお、司法書士へのご依頼はリースバック会社側が手配することが一般的です。

譲渡益課税

不動産を売却すると、譲渡益課税が発生します。これは、売却による利益(譲渡所得)に対して所得税、住民税、及び復興特別所得税が課税されるものです。

譲渡所得は売却価格から、取得費や譲渡費用を引いて算出します。ただし、居住用物件(マイホーム)を売却する場合は「マイホームを売ったときの特例」の対象となるため、譲渡益から最高3,000万円が控除されることがあります。
居住用物件とは、自分や家族が実際に生活の拠点として住んでいる自宅のことを指します。この特例は、自宅として使用していた住宅に限られ、別荘や賃貸物件などは対象外です。

控除の結果、譲渡所得が0円であれば課税も行われません。特例を受けるための要件は、下記国税庁HPをご確認ください。

参考URL:国税庁HP No.3302 マイホームを売ったときの特例

 

賃貸契約時に発生する費用

リースバックは売却後に買主側が賃貸人、売主側が貸借人となって賃貸契約を結び、売却した物件に引き続き家賃を支払うことで暮らしを継続できます。賃貸契約を交わす際には以下の3つの費用が必要です。

敷金・礼金

自宅に引き続き暮らすとしても、賃貸化することによって敷金・礼金を用意する必要があります。ただし、礼金などが不要なケースもありますので、賃貸借契約時にしっかりと確認しましょう。

家賃保証料

家賃保証料も賃貸契約時に必要となる費用です。家賃保証を行う保証会社に支払う費用で、家賃1か月分の50~100%が目安とされています。
なお、更新時(定期借家契約の場合は再契約時)にも家賃を保証する会社に家賃保証料を支払う必要がありますが相場は異なります。更新時(再契約時)には、更新後の賃料の10%~30%程度の家賃保証料を支払う必要があります。

火災保険料

リースバック前に加入していた火災保険は、契約者(所有者)が建物と家財の両方を補償するものです。

リースバック後は所有者が買主(不動産会社や個人投資家や賃貸経営会社)に変わるため、建物の火災保険は所有者(賃貸人)が加入し、入居者である賃借人は家財のみの火災保険へ加入します。万が一火災が発生した場合、建物に対する保険金は所有者に支払われます。

 

リースバックで通常発生しない費用

これまでリースバックで発生する費用について見てきましたが、リースバックを利用する際には、通常発生しない費用もいくつか存在します。これを理解しておくことで、不要なコストを避けることができます。
リースバックでは、通常発生しないと言われる費用として、次のようなものがあります。

仲介手数料
事務手数料
不動産登記費用(所有者変更にかかる費用は通常買主が負担)

ただし、契約内容次第では、これらの費用が発生することもあります。特に、登記費用は所有権が買主に移る際に必要ですが、通常は買主が負担します。買主が個人であっても法人であっても、契約内容によって費用負担の条件が異なるため、契約時に確認が必要です。

 

リースバックの売却価格と家賃相場

リースバックでは不動産の売却後も継続して家賃を支払っていく必要があります。しかし、家賃相場は一般的な不動産相場と異なっているため注意が必要です。

家賃はリースバックの売却価格に基づく投資利回りにより算出されるため、周辺家賃相場よりも高くなることがあります。高すぎる家賃は継続して支払えず、退去につながるおそれがあるため慎重に判断しましょう。
リースバック時の売却価格は、一般的に市場価格の70~90%で設定されます。ただし、物件の状態や地域によっては、これより低い、または高い価格が提示される場合もあります。

また、家賃は売却価格の6%~13%の範囲で設定されることが多いですが、これも契約内容や市場状況によって変動する場合があります。
リースバック時の買取価格相場や、家賃設定方法などについては、以下の関連記事もご一読ください。

【関連記事】リースバックの買取価格の相場|家賃相場や事例等も解説
【関連記事】 リースバックの家賃設定方法・家賃相場|家賃を安くする方法等も解説

 

まとめ

本記事では、リースバックで発生する費用や手数料について、通常の不動産売買との違いも交えながら詳しく解説を行いました。リースバック時には発生しない費用も多いため、不要な費用を請求されていないかしっかり確認することが大切です。また、信頼できる業者を選び、契約内容を十分に確認した上でリースバックを実施するように注意しましょう。

弁護士法人リーガル東京はリースバックについて豊富な実績があり、住宅ローンの支払いにお困りの方からのご相談にも対応しています。債務整理や相続と連動したリースバックもお任せいただけますので、どうぞお気軽にご相談ください。

 

監修者


氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)

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