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リバースモーゲージとは?メリット・デメリット等をわかりやすく解説

リバースモーゲージとは わかりやすく

老後の安定した資金を獲得するために、自宅を担保にして融資を受ける「リバースモーゲージ」を検討する方がいます。自宅を担保にするため、高齢者でも利用しやすいシニア向けローンとして注目されています。

しかし、リバースモーゲージにはデメリットもあるため、実際の契約に至る前にじっくり検討することが大切です。そこで、本記事ではリバースモーゲージについて「メリット・デメリット」等を詳しく解説します。

 

リバースモーゲージの仕組みとは

リバースモーゲージとは、自宅を担保に金融機関や公的機関から融資を受ける制度のことを指します。自宅に住み続けながら融資を受けられるため、主に60歳以上の高齢者層に利用されており注目されていますが、日本ではまだ普及は限定的です。

契約者が亡くなった時や契約期間が終わった時には、担保にした自宅を金融機関が売却し、その売却額で融資が返済される仕組みです。契約内容によっては、利息だけでなく元本の返済も必要になる場合があります。

 

住宅ローンとリバースモーゲージの違い

リバースモーゲージは自宅を担保に金融機関から融資を受けるため、「住宅ローン」と混同されることがあります。しかし、リバースモーゲージと住宅ローンは大きく異なっています。詳しくは以下です。

持ち家や借りる方の年齢条件が異なる

リバースモーゲージと住宅ローンでは「持ち家の保有状況」や「借りる方の年齢条件」が大きく異なります。

・住宅ローン
現在自宅を所有しておらず、購入するために金融機関から融資を受けます。安定した収入があれば若年層でも利用可能です。たとえば、りそな銀行では「親子二世代型」で年齢条件を満20歳以上満70歳未満に設定しています。

・リバースモーゲージ
既に自宅を保有している高齢者が対象で、年金生活者も利用できます。りそな銀行の「あんしん革命(不動産購入プラン)」では50歳以上が融資対象ですが、条件は金融機関や商品によって異なります。

 

リバースモーゲージの種類

リバースモーゲージには2つの種類があります。1つは「公的機関」が融資するもの、もう1つは「金融機関」が融資するものです。この章では2つの種類の詳細を詳しく解説します。

公的機関

公的機関が扱っているリバースモーゲージは、営利目的ではなく、高齢者世帯の生活支援を目的としています。金利も民間の金融機関より抑えられている場合が多いです。
リバースモーゲージを提供している公的機関には、社会福祉協議会や地方自治体が含まれます。たとえば、東京都社会福祉協議会では「不動産担保型生活資金」を提供しており、生活資金の貸付を行っています。生活保護世帯向けの支援も一部提供されています。

金融機関

金融機関もリバースモーゲージを提供しています。民間の金融機関や、ろうきんなどの福祉金融機関も取り扱っており、50代から利用できる商品が多くあります。
公的機関のリバースモーゲージよりも使用用途の制限が少ないケースが多く、融資の契約内容次第ではリフォームにも使用できます。ただし、公的機関よりも金利が高い傾向があるため、契約内容をよく確認する必要があります。

 

リバースモーゲージのメリット

年金生活者でも手軽に融資が受けられるリバースモーゲージは高齢化社会の日本において注目度が高まっています。では、利用には具体的にどのようなメリットがあるでしょうか。この章で詳しく解説します。

高齢でも融資を受けられる

リバースモーゲージは、高齢者向けの融資として提供され、自宅に住み続けながら融資を受けられるのがメリットです。契約者が亡くなった後、金融機関が担保とした自宅を売却し、その売却代金で融資を返済するのが一般的です。
ただし、契約者が途中で施設に移るなどした場合、金融機関が返済を求めることもあります。そのため、契約者の死亡後に完済されるのではなく、不動産価値の変動リスクなどを含め、慎重な検討が必要です。

毎月の返済は利息分のみ

リバースモーゲージのメリットは、毎月の返済が通常「利息分のみ」である点です。元本は契約者の死亡後に自宅の売却で返済されるため、現役時代のような大きな負担を抱えることなく資金を得られます。住宅ローンと異なり、毎月の支出が軽減されるため、老後の生活資金をより効率的に活用できる点が特徴です。

資金用途が幅広い

資金の使用用途が幅広い点もリバースモーゲージのメリットに挙げられます。
例えば、東京スター銀行のリバースモーゲージ「充実人生」では、投資や事業目的を除けば、生活費や医療費、リフォームなど自由に使えるのが特徴です。住宅ローンと比べて、用途の制限が少ないため、生活の幅を広げることができます。ただし、金融機関によっては細かな条件が異なるため、事前に確認することが重要です。

 

リバースモーゲージのデメリット

メリットが多いリバースモーゲージですが、実はデメリットが多いことも知っておく必要があります。

相続人の同意が必要

リバースモーゲージ契約には、相続人(推定相続人)の同意が必要な場合があります。契約者が亡くなると、通常は金融機関が担保となった自宅を売却して融資を返済します。
ただし、相続人が残債を返済できる場合、自宅を相続する選択肢もあります。

もし相続人が残債を支払わない場合、自宅は売却され、その売却代金で返済が行われます。トラブルを避けるため、相続人の同意を得ておくことが重要です。

長生きするとリスクが生じる

リバースモーゲージでは、借入時の自宅評価額に基づいて融資限度額が設定されます。そのため、予想以上に長生きした場合、融資限度額に達してしまい、追加の資金が得られなくなるリスクがあります。

また、不動産価値が下落した場合や、生活費が想定以上に増加した場合も、資金が不足する可能性が高まります。一部の契約には契約期間が設定されており、満了後に返済を求められることもあるため、事前に確認が必要です。

全ての不動産が対象ではない

リバースモーゲージを契約しようとしても、自宅が担保にできないケースがあります。多くの金融機関では、対象物件を「一戸建て」に限定しており、マンションは契約できない場合があります。

また、不人気エリアの自宅は不動産価値が低く、融資を断られることもあります。自宅を持っていても、すべての物件がリバースモーゲージに利用できるわけではないため、事前に審査条件を確認することが重要です。

 

リバースモーゲージの資金用途

リバースモーゲージは高齢者の生活支援に加え、幅広い資金用途に活用できます。
例として、生活資金や医療費、介護費用、リフォーム代などが挙げられます。さらに、相続対策としても有効で、生前贈与に使えるほか、契約者死亡時に自宅が売却されるため、相続人間のトラブルを回避する一助となる場合があります。

ただし、用途や条件は金融機関によって異なるため、事前に確認することが重要です。

 

リバースモーゲージの利用がおすすめの人

リバースモーゲージは、以下のような方におすすめです。

・老後の生活資金を充実させたい方
・年金生活者で、安心して融資を受けたい方
・老人ホーム入居や介護資金が必要な方
・相続対策を考えている方
・ローン返済資金に困っている方

ただし、ローン返済などの用途には制限がある場合があるため、金融機関の条件をよく確認することが重要です。

 

リバースモーゲージ以外で資金調達を行うならリースバックがおすすめ

リバースモーゲージはご紹介のとおりデメリットもあります。では、リバースモーゲージ以外に自宅を活用した資金調達の方法はあるのでしょうか。そこで、この章ではおすすめの「リースバック」について詳細を解説します。

リースバックは融資ではないため利息が発生しない

リースバックは、自宅を不動産会社に売却した後に賃貸契約を結び、居住を継続する方法です。金融機関や社会福祉協議会との融資契約ではないため、利息や返済は発生しません。

売却時に将来の買戻しを契約で定めることも可能です。リースバックには年齢制限はありませんが、売却後も家賃の支払いが必要です。
リースバックは利息や返済の負担がなく、柔軟な資金調達手段として安心感があります。

 

まとめ

この記事では、リバースモーゲージについて、メリット・デメリットはもちろんのこと、リースバックにも触れながら詳しく解説しました。

年齢を重ねた方が資金を要する場合、リバースモーゲージだけではなくリースバックについても比較しながら、慎重に検討することがおすすめです。弁護士法人リーガル東京では、ご依頼者様の現在の生活状況や債務についてなど詳しくヒアリングを行い、適切な資金調達方法をアドバイスしています。まずはお気軽にご相談ください。

 

監修者


氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)

-コメント-
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