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リースバックの家賃が払えないとどうなる?退去までの流れや契約解除されるまでの期間等を解説

(計算機と家と契約書の画像)

リースバックは「自宅を売却した後も、賃貸契約を交わすことで引き続き住むことができる」という金融取引の方法です。任意売却の手法としても活用できるため、住宅ローンの返済に行き詰まった方が、リースバックを用いて解決を目指すことも可能です。

しかし、リースバック後は、自身の所有していた住まいを賃貸物件とし、継続して家賃を支払っていく必要があります。そんな時、もしリースバック後の家賃が支払えない場合には、一体どうなるのでしょうか。今回の記事では、リースバック後に家賃が払えない場合の退去までの流れや、契約解除されるまでの期間などについて、詳しく解説を行います。ぜひご一読ください。

リースバックとは

リースバックとは、そもそもどのような仕組みなのでしょうか。リースバックでは、まず所有している自宅を不動産会社などに売却します。その後、売却先と賃貸借契約を結んで家賃を支払いながら、同物件に暮らすことができます。この仕組みのことをリースバックと呼びます。
リースバックの過程で不動産を売却するため、まとまった資金を得ることができます。そのため事業資金の獲得や、任意売却の一環として活用されることもあります。

リースバック後の家賃が払えなくなるケース

リースバック後は、元々所有していた自宅であっても家賃を支払う必要があります。しかし、家賃を支払えなくなってしまうケースもあるでしょう。この章では、リースバック後に家賃が支払えなくなるケースを3つご紹介します。

リストラ

リースバック後に家賃を支払っていくためには、安定した収入が必要です。しかしリストラされると収入が途絶え、家賃を滞納してしまうことがあります。実際に2008年代のリーマンショックや、2019年の新型コロナウィルスの影響でリストラが多く発生しました。このような社会情勢の影響で雇用を失ってしまう方も決して少なくありません。

給料の減額

雇用先の事情によって給料が減額されることもあります。例えば会社の業績・営業成績の悪化などの理由で、給料が減ってしまうことがあります。リースバックを行う前に「これぐらいの家賃なら支払えるだろう」と思っていても、給料が減ってしまうと家賃の支払いが途絶えてしまう可能性があります。

ケガや病気

ケガや病気を理由に、家賃を滞納してしまうケースもあります。例えば夫婦の共働きであったとしても、家賃の支払いが安定して行えるとは限りません。いずれかの体調が悪化し収入が減少してしまうと、途端に生活が苦しくなってしまいかねません。

また、家族の病気やケガで医療費がかさんでしまい、家賃に使えるお金が無くなってしまうケースもあります。このような治療費、医療費、介護費によって家賃が支払えなくなることもあるでしょう。

リースバックと任意売却

任意売却は、住宅ローンの返済を滞納している方が自宅を売却し、売却代金を返済に充当する方法です。リースバック時に任意売却を行った場合、住宅ローンの返済充当と住宅の確保が同時に実現できます。
では、リースバックと任意売却を同時に行う際の注意点はあるのでしょうか。
それは、家賃の支払いです。

例えば、リストラや病気などによる一時的な経済難により、任意売却に至る方がいらっしゃいます。その場合、根本の原因を解決できなければ、再び家賃の支払いに頭を抱えることになる可能性が高いです。

リースバック後の家賃は、市場価格よりもやや高めに設定されることが多いです。支払える家賃を慎重に検討した上でリースバックを決断する必要があります。

リースバックの家賃が払えなくなってから契約解除されるまでの期間

リースバックの家賃がもしも支払えなくなってしまったら、一体どの程度の期間で契約が解除されてしまうのでしょうか。この章でわかりやすく解説します。

契約解除までの期間は約3か月

もしリースバックの家賃を「3か月以上」滞納してしまった場合、賃貸借契約の解除理由となる可能性が高いです。1~2ヶ月の家賃滞納であれば、督促を受けることはあっても契約解除にはなる可能性は低いです。しかし、支払う意志を見せずに3ヶ月以上家賃を滞納した場合、信頼関係が破綻したとみなされ契約解除となる場合が多いです。

ただし、この期間はあくまでも目安です。可能な限り滞納しないよう、気を配る必要があります。

リースバックの家賃が払えなくなってから退去までの流れ

リースバックをした自宅の家賃が支払えなくなってしまった場合、退去することになるおそれがあります。家賃滞納から退去まで、どのような流れで進むのでしょうか。この章で詳しく解説します。

借主への督促

貸主側が家賃滞納に気付くと、まずは借主へ督促を開始します。もしこの催促を無視した場合、支払う意思が無いと見なされ、トラブルに発展する可能性があります。

まずは貸主に対して謝罪をしましょう。そして支払いを待ってほしい旨と、滞納した家賃を払う意志があることを示しましょう。家賃滞納の解決に向けて努力をしている旨をできる限り伝え、貸主側に理解してもらうことが必要です。

保証人への督促

借主への催促が続いた場合、今度は保証人への督促も開始されます。リースバック時の保証人は「家賃保証会社」が賃貸借契約時に付いていることが多く、家賃保証会社側が貸主へ家賃を支払うことが多いのです。
すると借主に対し、家賃保証会社からも督促が開始されます。

内容証明郵便への通知

滞納開始後2カ月目を目安に、内容証明郵便による通知が始まります。
内容証明郵便は借主側(債務者)が家賃の支払いの応じず、訴訟となった場合に「いつ、誰が、誰に、何を伝えたのか」記録される郵便物のため、裁判における証拠として効力を持ちます。

契約解除や訴訟のリスクを下げるためにも、この時点でできる限り滞納家賃の支払いを終えましょう。

契約解除の通知

家賃滞納の状態が3か月以上続いた場合、貸主側が契約解除の通知を送付します。ここで、支払いや退去に応じることができない場合、建物明渡請求訴訟に発展する可能性も高まります。

退去

契約解除通知の送付後も問題の解決に至らない場合、強制的に退去することになります。退去に必要となる費用は借主側が用意する必要がある上、リースバック前から住み慣れた自宅を失うことになります。このような状態になる前に、早めに手を打つことが重要です。
そのためにはリースバックを行う前の段階で、家賃の支払い能力を考慮しておく必要があります。また余計な出費を抑え、余裕を持った生活も心がけることも重要です。

まとめ

この記事では、リースバック後の家賃が支払えなくなった場合について、退去までの流れや契約解除までの期間などに焦点を当てて、詳しく解説しました。

もしも、リースバック後の家賃が支払えなくなったら、連絡や督促を無視するのではなく、まずは大家や管理組合側に事情を説明し、支払いの交渉をしましょう。事情によっては支払いを遅らせて頂ける、または少額の分割返済に応じて頂ける場合もあります。

任意売却やリースバックは、法的な知識はもちろんのこと、債権者側との交渉も欠かせないものです。もしも「住宅ローンの返済に悩んでいる」、「リースバックすることに不安を感じている」という方がいらっしゃいましたら、お気軽に弁護士法人リーガル東京へご相談ください。

 

監修者


氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)

-コメント-
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