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リースバック後のマンション管理費はどうなる?|他の諸費用等も解説

(マンションの画像)

リースバックは一戸建てだけではなく、マンションでも行えることをご存じでしょうか。所有しているマンションをリースバックの一環で売却した場合、マンションを賃貸物件化し、家賃を支払うことで住み続けることが可能になります。

しかし、マンションをリースバックする際は、現在支払っている「マンション管理費」がどうなるのか、不安に感じる人もいるでしょう。そこで、今回の記事ではマンションのリースバックにおける「管理費」や、様々な「諸費用」がどのように扱われるのか詳しく解説します。

リースバック後のマンション管理費の支払いは不要

リースバック後、基本的に物件の売主(賃借人)には管理費を負担する必要はありません。
その理由は、物件の所有者が変わるためです。

前提として、管理費の支払い義務があるのは物件の所有者です。

しかしリースバックの一環でマンションを一度売却すると、物件の所有者がマンションを買い取った不動産業者に変わります。

つまり売主(賃借人)は物件の所有者ではなくなるため、売主(賃借人)に管理費を支払う必要はなくなるのです。

マンション管理費は家賃の金額に含まれている

先に触れたように、管理費の支払いはそもそもマンションの所有者側が行うため、所有権が移転するリースバック後は借主側の支払い義務はなくなります。

しかし多くの場合、リースバック後の家賃に管理費相当分が上乗せされています。そのため、実質的に管理費は「借主側が負担している」とも言えるでしょう。またリースバック後の家賃は一般的な周辺の家賃相場よりも高くなる傾向があるため、毎月支払うことが可能かどうかを慎重に判断する必要があります。

【リースバック後】マンション管理費以外の諸費用の支払い

リースバックをした後は、売主(賃借人)が今まで負担してきた様々な諸費用はどうなるのでしょうか?この章では管理費以外の諸費用について、詳しく解説します。

修繕積立金

修繕積立金とは、「将来のマンションの修繕に向けて積立していくためのお金」のことを指します。この「修繕積立金」は、管理費と同様に所有者が支払います。そのため、リースバック後は売主側が支払う必要はありません。

固定資産税

固定資産税は不動産に発生する税金のことです。具体的には不動産所有者に対して、毎年1月1日時点での課税を行います。地域によっては、固定資産税に加えて都市計画税も課税されることもあります。しかしリースバック後は、固定資産税や都市計画税の負担者は買主側となるため、売主側は負担しません。

リースバックの不動産売買時は、固定資産税や都市計画税の日割り計算した額を売買代金に含めて、不動産会社側が売主側に対して清算します。

火災保険料

マンションの火災保険は、一般的に「建物」と「家財」の2種類に分離しています。
1つ目の「建物」は購入した専有部分に適用されます。2つ目の「家財」は、室内に納めてある家具・家電など一式に適用されます。

リースバック後、買主側は建物部分を所有することになるため、火災保険の範囲も「建物」に限られます。
一方で、「家財」は入居者(借主)の所有物であるため、借主側が負担します。

賃貸物件に入居する際には、家財保険だけではなく水道トラブルなどに備えた個人賠償責任保険等への加入を求められることがあるため、リースバック契約時によく確認しましょう。

修繕費

リースバック後に入居しているマンションで修繕が必要になった場合、どのように対応すれば良いでしょうか。一般的な賃貸借契約では、借主の故意ではない設備の故障などに対する修繕費は、貸主負担となります。

しかしリースバック取引の賃貸借契約では、修繕費の負担は借主に設定されていることが多いです。基本的にリースバックは、売主が物件に居住している状態で取引が進むため、買主が修繕箇所をチェックできないことが多いのです。

ただ契約内容によって修繕費の負担先は異なるため、契約前にしっかりと確認する必要があります。

駐車場代

駐車場代の負担は、マンションの規約や管理組合の方針によって異なります。借主には駐車場を貸さない方針の場合、借主はマンション施設以外の駐車場を確保し、使用料を支払う必要があります。
駐車場代に関する項目も、契約前に確認しておきましょう。

電気・ガス・水道

一般的な賃貸物件と同様、電気・ガス・水道などの光熱費は借主が契約します。これまでと同様に、ご自身で業者側と契約し、毎月の使用料を支払います。

リースバック後の家賃は、どのように決まるのか?

リースバックを行った後は家賃に加え、駐車場代や火災保険、光熱費なども支出することになります。その点を考慮に入れると、家賃はシビアに検討する必要があるでしょう。
そこでこの章では、「買主がどのように家賃を決めているのか」について解説します。

買主の期待利回りや地域差が影響する

リースバックをする際、買主は「期待利回り」で家賃を計算しています。
期待利回りとは、「不動産価格に対して、期待できる1年の家賃収入の割合」を示す数値のことを指します。
例として、年間の家賃収益が100万円程度見込める物件を、1000万円で購入した場合を考えてみましょう。この物件の期待利回りは10%であり、そうなると1ヶ月あたりの家賃は約8.3万円に設定する必要があります。
もし買主が期待利回りを上げたい場合は、それだけ家賃も高くなります。

このように買主は、主に期待利回りをもとに月々の家賃を計算しているのです。

また、物件のある地域によっても家賃は変動します。人気のあるエリアでは入居希望者が多いため、期待利回りは低く設定される傾向にあります。一方で、人気が乏しく入居希望者が少ないエリアでは、期待利回りが高めに設定される傾向にあります。

家賃は積算法で計算される

リースバックの家賃は積算法と呼ばれる方法で算出されています。不動産売却価格に対して期待利回りの割合を乗じ、月々の家賃を計算するために12カ月で割って算出されています。

「積算法」について詳しく知りたい方は、以下の記事が参考になります。
https://www.fudousan-law.com/leaseback-rent/

リースバックを検討されている方のよくある疑問

リースバックを検討されている場合、いろんな疑問を抱えることがあるでしょう。そこで、この章ではリースバックの検討時によくある疑問について解説します。

リースバックとリバースモーゲージの違いは何ですか?

リースバックとリバースモーゲージの違いは、以下の通りです。

・リースバック
リースバックは、不動産売却方法の1つです。売却後はマンションなどの所有者としてではなく、賃借人として自宅に住み続けることができます。住宅ローンの残債があり、オーバーローンの場合でも活用できる仕組みです。リバースモーゲージのように所有権を維持したまま融資を受けるものではありません。

・リバースモーゲージ
リバースモーゲージとは、不動産を担保に融資を受けることです。自宅を担保にして借り入れを行うため、リースバックのように生前に売却することはありません。融資を受けた契約者が死亡した段階(もしくは契約が終了した段階)で売却して返済します。

リバースモーゲージについて詳しくは、以下のリンクをご確認ください。
https://www.fudousan-law.com/leaseback-reverse-mortgage/

リースバックのメリットは何ですか?

リースバックのメリットの一つに、「売却後も自宅に住み続けられる」という点が挙げられます。一戸建てでもマンションでも、引っ越しをする必要がありません。

生活が困窮し住宅ローンを支払えなくなり、任意売却として行う場合でも、周囲に知られる可能性は低いでしょう。また、リースバックは一般的な任意売却とは異なり、将来的に売却した自宅を買い戻すこともできます。

リースバックのメリットについては、以下の記事で詳しく解説しています。
https://www.fudousan-law.com/leaseback-pros-and-cons/

まとめ

この記事では、リースバック後のマンション管理費について、他の諸費用などについても触れながら詳しく解説を行いました。リースバックは一度自宅を売却しても、再び買い戻すことができる仕組みです。皆様のご愛顧のお陰で弁護士法人リーガル東京では、年間300件以上ものリースバックのご相談を頂いております。

相談無料、住宅の査定も無料となっております。住宅ローンの返済にお困りの方は、お気軽にご相談下さい。

 

 

監修者


氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)

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