【悪徳業者に注意】高齢者がリースバックする際の注意点と優良な業者の選び方等を徹底解説
「老後の資金に不安がある」とお悩みのご高齢の方は、とても多いです。
すでに退職しており、年金以外の収入を持たないことも多く、将来の見通しを立てるのが難しい方もいらっしゃると思います。
そこで老後の資金を確保する方法の一つに、「リースバック」があります。
リースバックは、「自己所有の不動産を売却した後、賃貸として借りることで住み続けることができる」という不動産売買方法の一つです。つまり物件売却によって老後資金を得られる上、今住んでいる家から引っ越す必要が無くなるのです。
「物件を売りたいが、引っ越さずに住み続けたい。」とお考えのご高齢の方にとって、リースバックはとても良い方法です。
しかし、リースバックを高齢者が利用する時は注意点やデメリットもあります。
そこで、この記事では高齢者のリースバック利用時に知っておきたい、優良業者の選び方等を解説します。悪徳業者を避けるためにも、ぜひご一読ください。
リースバックとは
リースバックとは「現在お持ちの不動産を売却した後、売却した物件を借り、今度は家賃を支払いながら継続して入居する」という不動産の売却方法です。物件に住み続けながら、老後の資金を確保することができます。
「物件を売却したい、しかし住み続けたい」という思いを叶える方法として、ご高齢の方にもリースバックは注目されています。
高齢者を狙う悪徳なリースバック業者にはご注意
高齢者にもおすすめできるリースバックですが、取り扱う不動産屋の中には「悪徳業者」が潜んでいます。
具体的には、以下のような悪徳業者には注意が必要です。
リースバックのメリットしか話さない
リースバックのメリットだけを話し、デメリットについて触れようとしない業者には注意が必要です。
例えばリースバックの代表的なデメリットとして、「通常の売却相場よりも売却価格が相当下がる」というものがあります。
リースバックを通して物件を売却する場合、その価格は「通常の売却相場の70%前後」であると言われています。通常の価格より安値で取引されてしまうため、中にはリースバックを躊躇ってしまう方もいらっしゃるでしょう。それでもリーガル東京では、お客様に心から納得して頂きたいため、このようなデメリットは入念に説明させて頂いております。
しかしリースバック業者の中には、このようなデメリットを明言せずに取引を執拗に勧誘する業者も存在します。響きの良いことを一方的に話し、取引を行う業者は誠実であるとは言えません。このようなリースバック業者には十分注意して下さい。
とにかく契約を急がせる
リースバックの利用について考える時間を与えようとせず、契約を急がせるようなリースバック業者には注意が必要です。
例えば「短い期間で何度も電話がかかってくる」、「執拗な勧誘営業に押し切られてしまう」などのケースが該当します。
このような業者に出会った場合、その場で契約することは避け、一度距離を取りましょう。
リーガル東京では、よく複数の業者を比較検討し、相見積もりを取ることを促します。
それは、ご自身の経済的状況に合った最適な選択肢を取るためには、複数の業者と相見積もりを取り、ご自身の中で納得のいくプランを選択することが必要であると考えているためです。
不動産売却は、その後の人生に大きく関わる大事な意思決定です。「競売の入札期間が迫っている」というような切迫した状況でもない限り、複数の業者と相見積もりを取り、落ち着いて取引を進めましょう。
優良なリースバック業者の選び方
このような悪徳な業者を避けるためには、優良なリースバック業者を選ぶ「目」が必要です。
そこで、この章では優良なリースバック業者の選び方を紹介します。
家賃設定が柔軟である
優良なリースバック業者では、入居する方の家賃の支払い能力を把握し、無理のない家賃設定になるよう柔軟に対応します。
それは、家賃負担が大きすぎると滞納・退去につながる恐れがあるためです。(特にリースバック後の家賃は高くなる傾向にあるため、注意が必要です。)
そのような状況に陥ることを未然に防ぐため、優良なリースバック業者は個人の経済的な状況を鑑み、入居者にとって無理のない家賃設定を行います。家賃の交渉の際は、支払える家賃に近づけられるように、積極的に掛け合ってみましょう。
賃貸の契約期間が長い
多くのリースバック業者では、物件の売却後に「定期借家契約」を交わします。これは、物件を借りるための契約「賃貸借契約」の一種です。
一般的なリースバックの定期借家契約では、契約期間はおよそ2-3年に設定され、満了になると更新できません。再契約はできますが、必ずしも契約可能なわけではありません。
物件に住み続けたい場合、この契約期間は長い方が安心です。リーガル東京では5年、長いもので10年の定期借家契約を結んだケースもございます。
できるだけ長く暮らすため、「長期の定期借家契約」や「借主が保護されやすい普通借家契約」が可能なリースバック業者を探しましょう。
高齢者向けのサポートがあり、契約実績も豊富
リースバックは多くの高齢者の方が利用しているため、見守りサービスなど高齢者向けのサポートを用意している業者も増加しています。高齢者向けの手厚いサービスがある業者を探すことも、優良業者に出会うための方法として有効です。
高齢者がリースバックを利用する理由
さて、ここまで高齢者の方がリースバックを利用する理由として「老後の資金が確保できる」という部分には触れてきましたが、その他に理由はあるのでしょうか?
この章では、高齢者の方がリースバックを行う理由について、いくつか解説していきます。
老後の資金確保に向いている
リースバックは、よくリバースモーゲージと比較されます。リバースモーゲージは、自宅を担保に融資を受けることであり、年齢制限や資金の使用先に制限がある金融機関も多いです。
一方、リースバックなら年齢制限や資金の使用用途の制限がありません。そのため生活費だけでなく、病気の治療費などの突然の出費にも充てることができます。
老後を安心して暮らすための資金確保のため、リースバックも選択肢の内に入れておくとよいでしょう。
臨時出費に対応するため
リースバックは資金の使用用途に制限がないため、臨時の出費に対応することもできます。
例えば家族の進学や病気での高額治療、災害による支出に充てることが可能です。
このような予期せぬ事態に備えるためにも、不動産の売却金額を蓄えておくと安心です。
不動産の相続を簡素化するため
高齢者のリースバックは相続対策で行われることもあります。それは生前にリースバックをしておくことで、物件が現金化され、相続が簡単になるためです。
相続の際、土地や建物を相続人の間で分配すると、よくトラブルが多発します。相続人が居ない場合、空き家となってしまうこともあります。
そこでリースバックを用いて、土地や建物を現金に変えます。現金であれば均等に分け合うことができるためトラブルも起きにくく、相続が穏便に進むのです。
しかし、相続人の立場から見ると、両親所有の不動産がリースバックにより、時価より低額で換金されることになり、かつ、老後資金として出費されることになり、遺産が少なくなり相続人にとってはメリットが乏しいかもしれません。
したがって、高齢者でリースバックを検討される場合、子供に事前相談することも重要です。
住み続けることが出来るため
物件の売却を検討される高齢者の方でよくあるお悩みが、「次の入居先を見つけられるかどうか不安だ」というものです。不動産を売却してしまったら住む場所を失ってしまうため、思い悩む方が多いです。
他の物件を賃貸するにしても、審査に通るか心配の方もいらっしゃるでしょう。
そんな方には、リースバックの利用がおすすめです。リースバックでは物件売却後、引き続き家賃を支払うことで元の暮らしを継続できます。「生活環境を変えたくない」という方は、リースバックも検討してみましょう。
高齢者がリースバックするメリット
それでは高齢者がリースバックをするメリットとは、一体どのようなものでしょうか。この章でわかりやすく紹介します。
固定資産税や住宅ローンを無くせる
収入の少ない高齢者の方で、不動産をお持ちの場合、固定資産税が発生します。また住宅ローンの返済も、高齢者の方には負担が大きいものだと考えられます。
そこでリースバックを行うと、固定資産税を支払う必要がなくなり、売却金を住宅ローンの返済に充てることもできます。
審査に通過しやすい
リースバックはリバースモーゲージやその他の融資方法と比較すると、審査に通りやすいという特徴があります。年齢や職業、資産のご状況に左右されにくいという点も、リースバックの大きなメリットです。
資金の用途が自由
リースバックは資金の用途に制限がありません。そのため、例えば子や孫への資金、有事の際に使うお金として蓄えておくことができます。
高齢者がリースバックするデメリット
高齢者がリースバックを行うにあたって、デメリットも存在します。
まず大きなデメリットの一つとして、「リースバックは仕組みが複雑で、理解しにくい」という点が挙げられます。
極めてシンプルに言うと、リースバックとは「物件を売却し、家賃を払って住み続ける」という不動産売却の方法です。言葉ではシンプルにまとまりますが、リースバックの仕組みを完全に理解するのは難しいです。
また、「一般的な不動産売買の売却額よりも売却額が低くなる」、「一般的な家賃相場よりも高くなる」などのデメリットもあります。
これらのマイナス要素も踏まえたうえで、リースバックを検討しましょう。
リースバックの利用条件
リースバックには利用条件があります。
主な利用条件は以下の8つです。
・共有名義となっている不動産は、名義人の同意が必要
・住宅ローンの残債がある場合、完済が必要(ただし、任意売却の場合は交渉可)
・家賃を継続して支払えること
・家賃保証会社を活用する場合は、審査通過が必要
・違法な建築物ではないこと
・現在建物において重大な瑕疵がないこと
・不動産業者がリースバックに対応できること
・建物がリースバック対象物件であること
リースバックを利用する前に、確認しておきましょう。
まとめ
この記事では、高齢者がリースバックをする際の注意点や、優良業者の選び方について詳しく解説を行いました。
リースバックを取り扱う業者の中には、悪徳業者が紛れています。それらに引っかからないためにも、この記事でお伝えした「悪徳業者の見分け方」「優良業者の選び方」をぜひ参考にして下さい。
弁護士法人リーガル東京では、リースバックのご相談・お申し込みを承っております。
貴方の状況を十分にヒアリングし、ベストな選択を取っていただけるよう、丁寧にサポート致します。
「私の家はリースバックできるだろうか?」と不安に思う方は、無料相談の前にまずはホームページを御覧ください。
監修者
氏名(資格)
小林 幸与(税理士・弁護士)
-コメント-
弁護士法人リーガル東京は弁護士・税理士などの専門家集団です。当法律事務所に相談依頼するだけで、購入先紹介・売買契約締結交渉・残債務整理・登記手続・税務申告のワンストップサービスを比較的低額の料金でご提供致します。
この記事を見ている人はこんな記事も見ています
最近の投稿